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2章 アパートの二人
28話 カツ丼と洗濯
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いつもの様にママを起こすと、さっさと準備をして仕事に出かけて行った。
「じゃあ、お仕事行ってくるね。
ご飯は冷蔵庫の中の物を適当に食べてね。
行ってきます」
冷蔵庫の何処に食べ物が入っていると言うのだろうか?
「行ってらっしゃい。
お仕事頑張ってね……」
玄関の鍵をかける。
たまに忘れ物をしたと言って直ぐに戻ってくる事があるので、とりあえず二十分は部屋でおとなしくしておく。
その後、渡された洗剤を持って隣の部屋に向かう。
自分の意志で扉を開けて外へ出るのは、今日が初めてだった。
「お姉ちゃん、居る?」
何度かノックすると、玄関の扉が開く。
「いらっしゃい。
さぁ、入って……。
今日も来ると思って、ご飯を作ったんだけど食べる?」
「たべる!」
メニューも聞かずに「ご飯」と言う言葉に反応してしまったけど、お姉ちゃんが用意してくれたものが美味しくない訳がない。
ふとテーブルの上を見ると二人分用意されていて、湯気と共にとても美味しそうな匂いがしていた。
どんぶり茶碗にご飯が入っていて、その上に何かが乗っているように見える。
「お姉ちゃん、これは?」
それは食べた事がなく、料理番組でも見た記憶がないものだった。
「カツ丼だよ。
まぁ、トンカツはライザのお惣菜コーナーで買ったものだけど、卵でとじてご飯の上にのせてあるんだよ」
カツ丼なんて聞いた事もないから何だろうと疑問には思うけど、お姉ちゃんが私の為に用意してくれたと言うだけで嬉しかった。
「美味しいから、食べてみてよ……」
そう言われて、お箸を握る。
「いただきます」
カツと言われたそれを一口かじってみる。
「何これ、美味し過ぎる!」
一気に掻き込む。
「そんなに慌てなくてもカツ丼は逃げないから、ゆっくり食べれば良いのに」
そんな事を言ったって、美味しいのだから仕方がない。
それに、お姉ちゃんに会うまでは何日もご飯を食べさせてもらえない日が続く事も頻繁にあったのだから、食べられる時に食べておかなくちゃダメなんだ。
「コレって何なの?」
カツにお箸を刺して、目線くらいの高さに持ち上げる。
「ん?それは豚さんのお肉だよ」
お姉ちゃんは飲み込んで口がからになると、教えてくれた。
「豚さん?これが?」
テレビ番組で見た事はあったので、豚さんは知っていた。
「豚さんってこんなに美味しいんだね……」
家では食べられない美味しいものをこんなにも食べさせてもらえて、私は幸せだ。
「ごちそうさまでした……」
ご飯粒一つなく綺麗に完食して手を合わせる。
「喜んでもらえたなら良かったよ」
そう言って笑ってくれた。
「お腹いっぱいになった?おかわりは?」
そう聞いてくれたけど、私は満足だった。
「もうお腹いっぱいだよ……凄く美味しかった。
本当にありがとう」
ご馳走になっているのはこっちなのに、何だかお姉ちゃんも嬉しそうだった。
「こんなに美味しそうに食べてくれたら、作った甲斐があったよ……」
食べた後の食器を流し台の中に入れる。
「そう言えば、これの使い方を教えて欲しいんだけど……」
そう言って、自分の部屋から持ってきた粉状の洗剤を見せる。
「昨日ママから洗濯を任されて、これをもらったんだけど一回の洗濯でどれくらい入れたら良いのか分からなくて……」
ママの話題はお姉ちゃんには出さないと決めていた筈なのに、洗剤の事を聞いた時に出してしまったのだと、言ってから気が付いた。
「えっとね、洗う量にもよるんだけど、一回の洗濯で基本的にはこのスプーン一杯だよ……。
食器を片付けたら、実際にやってみようか?」
口で教えてくれるだけではなく、手伝ってくれるらしい。
「やったー。ありがとう」
食事の後、洗濯機の使い方を教えに来てくれた。
この部屋にママと私以外が入った事はないので、誰かが来ると言うのは落ち着かない。
「ちょっとタバコ臭いね……。換気しようか」
窓を少し開けて、灰皿にたまったタバコを捨ててくれた。
今まで考えた事もなかったけど、ここはお姉ちゃんの部屋と比べたらだいぶ違う。
もしかしてこの部屋は一般的に見ても汚いのかもしれない。
「六キロ洗いのモデルだね」
洗濯機の蓋を開けて何やら色々確認してくれているみたいだったけど、何を言っているのか分からない。
「それで、洗うものは何処にあるの?」
そう聞かれて、昨日の夜ママに「これ洗っといて」と頼まれた服や下着がたくさん入った籠を見せる。
「結構あるね。
いい、まずは色分けだよ……」
何の事だろうか?
「こうやって、白いものと黒いものに分けるの。
後、これは赤いけど色が濃いから黒い方だよ」
分ける意味はあるのだろか?
「何で分けるの?」
「ん?色が移るからだよ」
やった事がないので知らない事ばかりだなと思う。
「次に、洗濯する前に確認する」
ポケットのついた服に手を入れている様だ。
「それは何?」
「レシートとかポケットティッシュを一緒に洗濯してしまうと、ぐちゃぐちゃになるんだよ。
だから、洗う前に出しておかないとダメなの……」
「ぐちゃぐちゃ」がどう言う状態なのかは分からないけど、教えてもらっているのだから覚えておこう。
「ほらティッシュがあったよ」と言ってズボンから取り出してくれた。
「とりあえず、ポケットに入っているものは全部出してから洗濯する事。
これだけはちゃんと覚えてね」
強く言われると言う事は、かなり重要な事なのだろう。
「あと、これはママに返しておいてね」
折り畳まれた千円札が出てきた。
「ここに入っているって事はママも忘れているんだと思う。
私の事を手伝ってくれているお礼だと思って、持って行ってよ」
お姉ちゃんの手に握らせる。
「いやそれはダメだ。
私はそう言うつもりで来たんじゃないよ?
だから、これはママにちゃんと返しておいてね。
このお金は結菜ちゃんのじゃなくて、ママのだから」
返されてしまった。
せっかく少しお礼ができると思ったのに、そんな風に言われてしまったら仕方がない。
「分かったよ……」
でも、私は何も持っていないので、どうやって恩返しして良いのかが分からない。
「ポケットのチェックが終わったら、洗濯機に色分けした片方の服を入れる。
今回はまず、白い方から行こうか。
あとは洗剤をこのスプーンに一杯分取って、入れる。
電源ボタンを押してここが光ったら、スタートボタンを押すんだよ」
電源ボタンとスタートボタンの場所を指さしながら、説明された。
「せっかく洗濯機回すならさ、今日もうちでお風呂入っていかない?
結菜ちゃんも女の子なんだから、綺麗にしておいた方が良いでしょ?」
何だかママみたいな事を言うんだなぁとは思ったけど、そう言ってもらえて素直に嬉しかった。
「うん、そうするよ」
「じゃあ、お仕事行ってくるね。
ご飯は冷蔵庫の中の物を適当に食べてね。
行ってきます」
冷蔵庫の何処に食べ物が入っていると言うのだろうか?
「行ってらっしゃい。
お仕事頑張ってね……」
玄関の鍵をかける。
たまに忘れ物をしたと言って直ぐに戻ってくる事があるので、とりあえず二十分は部屋でおとなしくしておく。
その後、渡された洗剤を持って隣の部屋に向かう。
自分の意志で扉を開けて外へ出るのは、今日が初めてだった。
「お姉ちゃん、居る?」
何度かノックすると、玄関の扉が開く。
「いらっしゃい。
さぁ、入って……。
今日も来ると思って、ご飯を作ったんだけど食べる?」
「たべる!」
メニューも聞かずに「ご飯」と言う言葉に反応してしまったけど、お姉ちゃんが用意してくれたものが美味しくない訳がない。
ふとテーブルの上を見ると二人分用意されていて、湯気と共にとても美味しそうな匂いがしていた。
どんぶり茶碗にご飯が入っていて、その上に何かが乗っているように見える。
「お姉ちゃん、これは?」
それは食べた事がなく、料理番組でも見た記憶がないものだった。
「カツ丼だよ。
まぁ、トンカツはライザのお惣菜コーナーで買ったものだけど、卵でとじてご飯の上にのせてあるんだよ」
カツ丼なんて聞いた事もないから何だろうと疑問には思うけど、お姉ちゃんが私の為に用意してくれたと言うだけで嬉しかった。
「美味しいから、食べてみてよ……」
そう言われて、お箸を握る。
「いただきます」
カツと言われたそれを一口かじってみる。
「何これ、美味し過ぎる!」
一気に掻き込む。
「そんなに慌てなくてもカツ丼は逃げないから、ゆっくり食べれば良いのに」
そんな事を言ったって、美味しいのだから仕方がない。
それに、お姉ちゃんに会うまでは何日もご飯を食べさせてもらえない日が続く事も頻繁にあったのだから、食べられる時に食べておかなくちゃダメなんだ。
「コレって何なの?」
カツにお箸を刺して、目線くらいの高さに持ち上げる。
「ん?それは豚さんのお肉だよ」
お姉ちゃんは飲み込んで口がからになると、教えてくれた。
「豚さん?これが?」
テレビ番組で見た事はあったので、豚さんは知っていた。
「豚さんってこんなに美味しいんだね……」
家では食べられない美味しいものをこんなにも食べさせてもらえて、私は幸せだ。
「ごちそうさまでした……」
ご飯粒一つなく綺麗に完食して手を合わせる。
「喜んでもらえたなら良かったよ」
そう言って笑ってくれた。
「お腹いっぱいになった?おかわりは?」
そう聞いてくれたけど、私は満足だった。
「もうお腹いっぱいだよ……凄く美味しかった。
本当にありがとう」
ご馳走になっているのはこっちなのに、何だかお姉ちゃんも嬉しそうだった。
「こんなに美味しそうに食べてくれたら、作った甲斐があったよ……」
食べた後の食器を流し台の中に入れる。
「そう言えば、これの使い方を教えて欲しいんだけど……」
そう言って、自分の部屋から持ってきた粉状の洗剤を見せる。
「昨日ママから洗濯を任されて、これをもらったんだけど一回の洗濯でどれくらい入れたら良いのか分からなくて……」
ママの話題はお姉ちゃんには出さないと決めていた筈なのに、洗剤の事を聞いた時に出してしまったのだと、言ってから気が付いた。
「えっとね、洗う量にもよるんだけど、一回の洗濯で基本的にはこのスプーン一杯だよ……。
食器を片付けたら、実際にやってみようか?」
口で教えてくれるだけではなく、手伝ってくれるらしい。
「やったー。ありがとう」
食事の後、洗濯機の使い方を教えに来てくれた。
この部屋にママと私以外が入った事はないので、誰かが来ると言うのは落ち着かない。
「ちょっとタバコ臭いね……。換気しようか」
窓を少し開けて、灰皿にたまったタバコを捨ててくれた。
今まで考えた事もなかったけど、ここはお姉ちゃんの部屋と比べたらだいぶ違う。
もしかしてこの部屋は一般的に見ても汚いのかもしれない。
「六キロ洗いのモデルだね」
洗濯機の蓋を開けて何やら色々確認してくれているみたいだったけど、何を言っているのか分からない。
「それで、洗うものは何処にあるの?」
そう聞かれて、昨日の夜ママに「これ洗っといて」と頼まれた服や下着がたくさん入った籠を見せる。
「結構あるね。
いい、まずは色分けだよ……」
何の事だろうか?
「こうやって、白いものと黒いものに分けるの。
後、これは赤いけど色が濃いから黒い方だよ」
分ける意味はあるのだろか?
「何で分けるの?」
「ん?色が移るからだよ」
やった事がないので知らない事ばかりだなと思う。
「次に、洗濯する前に確認する」
ポケットのついた服に手を入れている様だ。
「それは何?」
「レシートとかポケットティッシュを一緒に洗濯してしまうと、ぐちゃぐちゃになるんだよ。
だから、洗う前に出しておかないとダメなの……」
「ぐちゃぐちゃ」がどう言う状態なのかは分からないけど、教えてもらっているのだから覚えておこう。
「ほらティッシュがあったよ」と言ってズボンから取り出してくれた。
「とりあえず、ポケットに入っているものは全部出してから洗濯する事。
これだけはちゃんと覚えてね」
強く言われると言う事は、かなり重要な事なのだろう。
「あと、これはママに返しておいてね」
折り畳まれた千円札が出てきた。
「ここに入っているって事はママも忘れているんだと思う。
私の事を手伝ってくれているお礼だと思って、持って行ってよ」
お姉ちゃんの手に握らせる。
「いやそれはダメだ。
私はそう言うつもりで来たんじゃないよ?
だから、これはママにちゃんと返しておいてね。
このお金は結菜ちゃんのじゃなくて、ママのだから」
返されてしまった。
せっかく少しお礼ができると思ったのに、そんな風に言われてしまったら仕方がない。
「分かったよ……」
でも、私は何も持っていないので、どうやって恩返しして良いのかが分からない。
「ポケットのチェックが終わったら、洗濯機に色分けした片方の服を入れる。
今回はまず、白い方から行こうか。
あとは洗剤をこのスプーンに一杯分取って、入れる。
電源ボタンを押してここが光ったら、スタートボタンを押すんだよ」
電源ボタンとスタートボタンの場所を指さしながら、説明された。
「せっかく洗濯機回すならさ、今日もうちでお風呂入っていかない?
結菜ちゃんも女の子なんだから、綺麗にしておいた方が良いでしょ?」
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