8 / 239
お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ!
2
しおりを挟む
「やぁ!」
その晩、僕の前に現れたのは昨夜のかぼちゃ頭だった。
(助けてくれ!頼む!お願いだ!お菓子でもなんでもあげるから!)
僕はやっぱりわうわうとしか言えなかったけど、かぼちゃ頭は僕の心の声を聞いたかのようにくすくすと笑った。
「だいぶ懲りたみたいだな。
だから、最初から素直に出しときゃ良かったのに…」
ムカッと来たが、ここで怒らせたら大変だ。
僕は、かぼちゃ頭の足元で何度も頷いた。
「……ま、今回はこのくらいにしてやるか。
だけど、来年も来るからな。
来年はちゃんと素直に出すんだぞ!
あ…もちろん、来年も一週間前だ。」
僕は首振り人形のように、また何度も頷いた。
「よし!」
かぼちゃ頭は昨夜と同じように、杖を振り上げ、おかしな言葉を呟く。
(あっ!?)
瞬きの一つもしないうちに僕はベッドの上にいた。
全裸で身体を丸めて……
そして、僕のすぐ傍では、メアリーがしくしくと泣いていた。
「メアリー、お菓子は買ってあるか!?」
「え……!?あなた…今、しゃべったの?」
驚くメアリーをその場に残し、僕は階段を駆け降りてキッチンに向かった。
そこには、僕の好物のチェリーパイがあった。
これもお菓子だ!
僕は、チェリーパイを抱え、玄関に走った。
だけど、あのかぼちゃ頭はもうそこにはいなくて、通り掛かりの若い女性が、僕を見てメアリーよりも1オクターブは高い悲鳴を上げた。
~fin~
その晩、僕の前に現れたのは昨夜のかぼちゃ頭だった。
(助けてくれ!頼む!お願いだ!お菓子でもなんでもあげるから!)
僕はやっぱりわうわうとしか言えなかったけど、かぼちゃ頭は僕の心の声を聞いたかのようにくすくすと笑った。
「だいぶ懲りたみたいだな。
だから、最初から素直に出しときゃ良かったのに…」
ムカッと来たが、ここで怒らせたら大変だ。
僕は、かぼちゃ頭の足元で何度も頷いた。
「……ま、今回はこのくらいにしてやるか。
だけど、来年も来るからな。
来年はちゃんと素直に出すんだぞ!
あ…もちろん、来年も一週間前だ。」
僕は首振り人形のように、また何度も頷いた。
「よし!」
かぼちゃ頭は昨夜と同じように、杖を振り上げ、おかしな言葉を呟く。
(あっ!?)
瞬きの一つもしないうちに僕はベッドの上にいた。
全裸で身体を丸めて……
そして、僕のすぐ傍では、メアリーがしくしくと泣いていた。
「メアリー、お菓子は買ってあるか!?」
「え……!?あなた…今、しゃべったの?」
驚くメアリーをその場に残し、僕は階段を駆け降りてキッチンに向かった。
そこには、僕の好物のチェリーパイがあった。
これもお菓子だ!
僕は、チェリーパイを抱え、玄関に走った。
だけど、あのかぼちゃ頭はもうそこにはいなくて、通り掛かりの若い女性が、僕を見てメアリーよりも1オクターブは高い悲鳴を上げた。
~fin~
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる