1ページ劇場①

ルカ(聖夜月ルカ)

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お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ!

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「やぁ!」



その晩、僕の前に現れたのは昨夜のかぼちゃ頭だった。



(助けてくれ!頼む!お願いだ!お菓子でもなんでもあげるから!)



僕はやっぱりわうわうとしか言えなかったけど、かぼちゃ頭は僕の心の声を聞いたかのようにくすくすと笑った。



「だいぶ懲りたみたいだな。
だから、最初から素直に出しときゃ良かったのに…」

ムカッと来たが、ここで怒らせたら大変だ。
僕は、かぼちゃ頭の足元で何度も頷いた。



「……ま、今回はこのくらいにしてやるか。
だけど、来年も来るからな。
来年はちゃんと素直に出すんだぞ!
あ…もちろん、来年も一週間前だ。」

僕は首振り人形のように、また何度も頷いた。



「よし!」

かぼちゃ頭は昨夜と同じように、杖を振り上げ、おかしな言葉を呟く。



(あっ!?)



瞬きの一つもしないうちに僕はベッドの上にいた。
全裸で身体を丸めて……

そして、僕のすぐ傍では、メアリーがしくしくと泣いていた。



「メアリー、お菓子は買ってあるか!?」

「え……!?あなた…今、しゃべったの?」



驚くメアリーをその場に残し、僕は階段を駆け降りてキッチンに向かった。
そこには、僕の好物のチェリーパイがあった。
これもお菓子だ!
僕は、チェリーパイを抱え、玄関に走った。
だけど、あのかぼちゃ頭はもうそこにはいなくて、通り掛かりの若い女性が、僕を見てメアリーよりも1オクターブは高い悲鳴を上げた。

~fin~ 
 
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