赤い流れ星3

ルカ(聖夜月ルカ)

文字の大きさ
上 下
747 / 761
side シュウ

しおりを挟む
ついに、結婚式がやって来た。
緊張なんてしてないつもりだったのに、当日になるとなんとも言えず、胸がいっぱいになってしまった。
自分でも不思議なんだけど…
美幸のことが、どうにも愛しくて…
結婚出来たことが、幸せでたまらなかった。



何故だ?
俺は、やはり美幸に惹かれていたのか?
なぜ、こんなにも幸せなんだろう?
この満足感みたいなものが、自分でもとても意外だ。
こんな気持ちは初めてだ。



自分の感情が理解出来ないまま、結婚式が進んで行く。
神父の前で、結婚の宣誓をして、指輪を交換する。
そして、美幸の唇に口付けた時…俺の頬を一筋の涙が伝った。
なぜだ?
一体、これは何の涙なんだ?
まるで、心が震えるような深い感動が体を突き抜けていた。



ふと見ると、美幸も涙を流していた。
結婚式というのは、そういうものなのか?
涙を流す美幸を、俺はたまらず抱き締めた。
美幸のことが愛しくて愛しくて、どうにかなってしまいそうだった。
客たちから、拍手や歓声が湧き上がる。
皆は、これを演出だとでも思っているのか?
違うんだ。
俺は今、自分の気持ちをコントロール出来ないだけなのに。
それほど、美幸が愛しくてたまらないんだ。
しおりを挟む

処理中です...