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side 美幸
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「じゃあ、そろそろ…」
「夕飯を食べましょうよ。」
兄さんがこの気まずい観光を切り上げようとしたら、母さんがそんなことを言った。
母さんはこの気まずさがなんともないんだろうか。
早くホテルで休めば良いのに。
「……何が食べたい?」
「私はなんでも。」
「父さんは?」
「そうだな、出来れば和食が良いかな。」
「わかった。」
兄さんは、お店に電話をかけていた。
予約しないといけないお店なのかな。
確かにお腹は空いてはいるけど、こんな状況で食べられるかな。
相変わらず静かな車に揺られ、しばらくすると、店に着いた。
*
「なかなか良い雰囲気のお店ね。」
珍しく、母さんが店を褒めた。
「接待でたまに使う店なんだ。
味も申し分ない。」
「あんた…仕事はうまくいってるの?」
「まぁ、程々にはね。」
「そう…それなら良いけど。
美咲さんって人、そんなに収入はないみたいだけど、それでも大丈夫なのね。」
「あぁ、問題ない。
俺の収入だけで、十分やっていける。」
「子供を育てていくには、何かとお金がかかるのよ。
しかも、ふたりもいるんだから。
あんたも元気でいなくちゃだめよ。
もうあんたは自分ひとりの体じゃないんだからね。
あんたは、美咲さんと子供を養っていかないといけないんだから。」
珍しく母さんがまともなことを言った。
兄さんは静かに頷いた。
「夕飯を食べましょうよ。」
兄さんがこの気まずい観光を切り上げようとしたら、母さんがそんなことを言った。
母さんはこの気まずさがなんともないんだろうか。
早くホテルで休めば良いのに。
「……何が食べたい?」
「私はなんでも。」
「父さんは?」
「そうだな、出来れば和食が良いかな。」
「わかった。」
兄さんは、お店に電話をかけていた。
予約しないといけないお店なのかな。
確かにお腹は空いてはいるけど、こんな状況で食べられるかな。
相変わらず静かな車に揺られ、しばらくすると、店に着いた。
*
「なかなか良い雰囲気のお店ね。」
珍しく、母さんが店を褒めた。
「接待でたまに使う店なんだ。
味も申し分ない。」
「あんた…仕事はうまくいってるの?」
「まぁ、程々にはね。」
「そう…それなら良いけど。
美咲さんって人、そんなに収入はないみたいだけど、それでも大丈夫なのね。」
「あぁ、問題ない。
俺の収入だけで、十分やっていける。」
「子供を育てていくには、何かとお金がかかるのよ。
しかも、ふたりもいるんだから。
あんたも元気でいなくちゃだめよ。
もうあんたは自分ひとりの体じゃないんだからね。
あんたは、美咲さんと子供を養っていかないといけないんだから。」
珍しく母さんがまともなことを言った。
兄さんは静かに頷いた。
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