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side 野々村美咲
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しばらくして、私はやっとこれが夢でも幻でもない、真実なんだって気が付いた。
それは、青木さんのお説教のおかげだ。
「わかってますか、野々村さん。
あなたが勝手なことをしたおかげで、戸籍がややこしいことになるんですよ。
出生届けを出す時に、俺が子供を認知します。
それからなるべく早く婚姻届を出しましょう。」
「は、はい。」
「結婚式は後回しになりますが、良いですね?」
「は、はい。」
吊り上がっていた青木さんの目が、やがてゆっくりと落ち着いて…
「ありがとう。
俺の子供を無事に産んでくれて。
しかも、二人も。
大変だったでしょう?」
「え、あ…ま、まぁ。」
本当はものすごく大変だった。
こんな痛い想いをするのなら、もう産みたくないと思った程だ。
噂に聞いていた悪阻もなく、妊娠中は楽だったこともあり、私は出産の辛さをまるでわかってなかった。
一人目が生まれただけでそんなだったから、あともう一人産まなきゃいけないのかと思ったら、本当に泣きたい気分だった。
いや、実際に泣いていた。
でも、そんなことは言えない。
私は平気だった振りをした。
それは、青木さんのお説教のおかげだ。
「わかってますか、野々村さん。
あなたが勝手なことをしたおかげで、戸籍がややこしいことになるんですよ。
出生届けを出す時に、俺が子供を認知します。
それからなるべく早く婚姻届を出しましょう。」
「は、はい。」
「結婚式は後回しになりますが、良いですね?」
「は、はい。」
吊り上がっていた青木さんの目が、やがてゆっくりと落ち着いて…
「ありがとう。
俺の子供を無事に産んでくれて。
しかも、二人も。
大変だったでしょう?」
「え、あ…ま、まぁ。」
本当はものすごく大変だった。
こんな痛い想いをするのなら、もう産みたくないと思った程だ。
噂に聞いていた悪阻もなく、妊娠中は楽だったこともあり、私は出産の辛さをまるでわかってなかった。
一人目が生まれただけでそんなだったから、あともう一人産まなきゃいけないのかと思ったら、本当に泣きたい気分だった。
いや、実際に泣いていた。
でも、そんなことは言えない。
私は平気だった振りをした。
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