赤い流れ星3

ルカ(聖夜月ルカ)

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side 和彦

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 「あれ?兄さん…昨夜は眠れなかったの?」

 次の日の朝食の席で、美幸が唐突にそんなことを言った。



 「え?……そんなことはない。」

 口ではそう言ったが、実は美幸の言う通り、少しも眠れなかったのだ。
 野々村さんのことが気になって…そして、自分の気持ちがよくわからなくて…
取り留めなく考え事をしているうちに、夜が明けていた。



 「旅行の疲れが出たんじゃない?
カズ…目の下が隈になってるよ。」

 「え?」

 「どうせまた飲み明かしたんでしょ?
カズももう若くないんだから、少しは気を付けないと、ね。」

 「……余計なお世話だ。」

わざと不貞腐れて答えた。
マイケルの言うように、飲み明かしたせいだと思われた方が助かる。



 *



 「……ズ、カズってば!」

 「え?何か言ったか?」

 「何か言ったかじゃないでしょ。
どうかしたの?今日は朝からどうもぼーっとしてるみたいだけど…」

 「す、すまん。やっぱり旅行の疲れだろうな。」

そういうしかなかった。



 仕事中も俺はついつい昨夜の続きを考えてしまってた。
こんなことでは、美幸の手前も示しがつかない。



 (やめだ、やめだ。つまらないことを考えるのは。)



 「ちょっと顔洗って来るな。」
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