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side 和彦
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*
「あれ?兄さん…昨夜は眠れなかったの?」
次の日の朝食の席で、美幸が唐突にそんなことを言った。
「え?……そんなことはない。」
口ではそう言ったが、実は美幸の言う通り、少しも眠れなかったのだ。
野々村さんのことが気になって…そして、自分の気持ちがよくわからなくて…
取り留めなく考え事をしているうちに、夜が明けていた。
「旅行の疲れが出たんじゃない?
カズ…目の下が隈になってるよ。」
「え?」
「どうせまた飲み明かしたんでしょ?
カズももう若くないんだから、少しは気を付けないと、ね。」
「……余計なお世話だ。」
わざと不貞腐れて答えた。
マイケルの言うように、飲み明かしたせいだと思われた方が助かる。
*
「……ズ、カズってば!」
「え?何か言ったか?」
「何か言ったかじゃないでしょ。
どうかしたの?今日は朝からどうもぼーっとしてるみたいだけど…」
「す、すまん。やっぱり旅行の疲れだろうな。」
そういうしかなかった。
仕事中も俺はついつい昨夜の続きを考えてしまってた。
こんなことでは、美幸の手前も示しがつかない。
(やめだ、やめだ。つまらないことを考えるのは。)
「ちょっと顔洗って来るな。」
「あれ?兄さん…昨夜は眠れなかったの?」
次の日の朝食の席で、美幸が唐突にそんなことを言った。
「え?……そんなことはない。」
口ではそう言ったが、実は美幸の言う通り、少しも眠れなかったのだ。
野々村さんのことが気になって…そして、自分の気持ちがよくわからなくて…
取り留めなく考え事をしているうちに、夜が明けていた。
「旅行の疲れが出たんじゃない?
カズ…目の下が隈になってるよ。」
「え?」
「どうせまた飲み明かしたんでしょ?
カズももう若くないんだから、少しは気を付けないと、ね。」
「……余計なお世話だ。」
わざと不貞腐れて答えた。
マイケルの言うように、飲み明かしたせいだと思われた方が助かる。
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「……ズ、カズってば!」
「え?何か言ったか?」
「何か言ったかじゃないでしょ。
どうかしたの?今日は朝からどうもぼーっとしてるみたいだけど…」
「す、すまん。やっぱり旅行の疲れだろうな。」
そういうしかなかった。
仕事中も俺はついつい昨夜の続きを考えてしまってた。
こんなことでは、美幸の手前も示しがつかない。
(やめだ、やめだ。つまらないことを考えるのは。)
「ちょっと顔洗って来るな。」
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