赤い流れ星3

ルカ(聖夜月ルカ)

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side 和彦

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「あ、あそこにありますよ!」

 大河内さんと別れた後、俺は野々村さんと近くの旅行代理店に向かった。



 「思ったよりたくさんありますね。」

 確かにすごい数のパンフレットだ。
よく考えてみれば、俺は代理店を通した旅行には行ったことがない。
 今回も、ただ行き先を決めるために利用させてもらうだけだ。



 「これは、なかなか決められそうにないですね。」

 「そうですね。こんなにあったんじゃ…」

 「いらっしゃいませ!」

 不意に、店員に声をかけられた。



 「ご旅行ですね。
いつごろのご予定ですか?」

 「え…っと。
 出来れば、ゴールデンウィークあたりに…」

 店に頼む予定はなかったので、俺は困惑気味に返事を返した。



 「ご夫婦、お二人でですか?」

 「えっ!?」

 店員がおかしなことを言うから、野々村さんが驚いている。



 「ち、違います。
 仲の良い友人たちと…」

 「ご友人とですか。
ただ、今からですと、お宿の方がなかなか…しかも、大勢でとなると、かなり難しいと思います。
ご夫婦お二人だけならなんとかなりそうなのですが…」

 「だから、俺達は……
また来ます!行きましょう!」

 俺は、野々村さんの手を掴み、店の外へ出た。
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