赤い流れ星3

ルカ(聖夜月ルカ)

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side 和彦

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「大丈夫ですか、野々村さん…」

 「は…はひ……」

しばらく咳き込んだ後、野々村さんは涙を拭いながらようやく落ち着いた。



 「すみません。
 俺がおかしなことをお訊ねしたばっかりに…」

 「い、いえ……」



 気まずい沈黙が流れた。
さっきの質問はもうやめて、何か別の話題でもふるべきか…
そう考えていた時、野々村さんが口を開いた。



 「……変わってません。」

 「え?」

 「私の気持ちは…ずっと変わってません。」



それは…どういうことだろう?
あれからもずっと俺を想っててくれているということなのか?
それとも……



「あ、私、何も求めてませんから…
ど、どうか不快に思わないで下さい。」



 何と言えば良いのかわからなかった。
 自分から聞いておいて酷い話だが、俺は野々村さんの率直な言葉に戸惑ってしまい、何も言えなくなっていた。
おかしな沈黙がその場を覆い尽くす。
 何か言わないと…と思えば思うほど、俺は余計に何も言えなくなって…



「えっと…あ、ありがとうございます。」

 何とも間の抜けたことを言ってしまったものだと、自己嫌悪に陥った。



 「こ、こちらこそ、ありがとうございます…」

 真面目な顔でそう言う野々村さんに、俺はおかしくなって吹き出してしまった。



 「青木さん…?」

 「野々村さん、お、おかしくないですか?
 俺達の会話…」

 「えっ…そ、そういえばそうですね。」

そう言って、野々村さんも一緒になって笑い始めた。

 
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