赤い流れ星3

ルカ(聖夜月ルカ)

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 「なんか、すみません。」

 「いや…別に……」

ひかりは、大きな口でケーキを口に運んだ。



 来なくて良いと言っているのに、ひかりは毎日見舞いに来る。
 俺の好きなケーキ屋のケーキと花を持って…



「仕事はどうなってるんだ?」

 「はい、少し遅れて行くって兄さんには言ってありますから…
あ、仕事が終わったら、兄さん達もまた来るって言ってました。」

 「いいよ、別に…そんなたいしたことじゃないんだから…」

 「でも、マイケルさん達も心配してましたし…」

 昨日はKEN-Gも来たし、お客からの花束も届いて、今、俺の病室は花やスイーツで埋もれている。
 早く退院しないと、逆にえらいことになってしまいそうだ。



 「とにかく、俺は大丈夫だから…
それ食べたら、早く仕事に行けよ。」

 「……はい。」



そして、次の日もひかりは見舞いにやって来た。



 「また来たのか。」

 「はい。」

おどおどとしながら、ひかりはケーキと花を差し出した。



 「……ありがとう。」

もういらないって言ってたのに…
とはいえ、そうも言えず、俺はありがとうと言うしかなかった。



 「良かったら、どれか食べないか?」

 「あ、ありがとうございます。じゃあ…これを…」

ひかりは選んだケーキを皿に取る。



 「あの…昨日も言ったけど…毎日見舞いに来なくて良いから。
 今回のことは俺が勝手にやったことだから、おまえが気に病む必要もないからな。」

 「で、でも……」

ひかりの瞳にみるみるうちに涙が溜まって行く。



 「だから…ほら、俺だってこんなに元気だし…な。」

 「だけど……」

 「……もう一度言うぞ。
 今回のことは、誰のせいでもない。
 俺が勝手にやったことだ。
だから、本当に気にするな。
それは純平にも言ってある。
 二人とも、何も悪くないんだ。」

ひかりは大きく首を振った。



 「私が悪いんです。
 私…何もわかってなかった。
ホストと付き合うことがどんなことなのか、少しもわかってなかったんです。」

ひかりはそう言うと、俯いて唇を噛みしめた。

 
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