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side 和彦
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その時、また俺の頭にひらめくものがあった。
だとしたら…
野々村さんが大河内さんにひかれてると思ってたのは、俺達の勘違い?
会っていたのも、美幸とシュウのことでだとしたら……
「和彦さん…どうかしましたかな?」
「え?い、いえ…なんでもありません。」
俺は慌てて頭を振った。
「ところで、ひかりとシュウのことですが…」
「あ、先日、ホストクラブに行ったことを話しました。
それで、美幸にも行ってみないかと持ち掛けてみたら嬉しそうな顔してましたよ。」
「そうでしたか、それは良かった。
あんたがそんなところへ行って良いなんて言うとは思ってもみなかったでしょうし、ひかりの奴、びっくりしたことでしょうな…」
「あ、あの……」
「何じゃな、野々村さん…」
「そ、それが…ですね…」
「どうかされたんですか、野々村さん?」
俺達がみつめる中で、野々村さんはなかなか言葉を発せず、ただ汗ばかり流していた。
「野々村さん…何か言いにくいことでもあるのか?」
「は、はい……」
消え入りそうな小さな声で、俯いたまま野々村さんは答えた。
「どうしたんじゃ?」
「じ、実は…純平さんとひかりさんが…」
「純平がどうした?」
「純平っていうのは?」
「あぁ、あんたはまだ知らんかったな。
純平っていうのは、シュウの店のホストでな。
アニメを通じて趣味が合って、ひかりが気に入っとるんじゃよ。」
「そうなんですか、それで野々村さん…その人がどうかしたんですか?」
野々村さんは、真剣な顔でお茶をぐいっと飲み干して…
「実は、純平さんとひかりさんはお付き合いをされてるんです。」
「な、なんじゃと!!」
「なんだって!?」
「おつきあいとはいっても、お互いが告白されて、メールや電話で連絡を取り合うだけでした。
ですが、来週の日曜日、純平さんがお休みになるとかで、それで、ひかりさんをデートに誘われたんです!」
「な、なんと…いつからそんな話になっとったんじゃ!?」
「少し前からです。
KEN-Gさんにお伝えしなくてはと思ったんですが、ひかりさんが誰にも言わないでっておっしゃってたもので…い、今まで黙ってて本当にすみません!」
野々村さんは米つきバッタのように、何度も頭を下げた。
だとしたら…
野々村さんが大河内さんにひかれてると思ってたのは、俺達の勘違い?
会っていたのも、美幸とシュウのことでだとしたら……
「和彦さん…どうかしましたかな?」
「え?い、いえ…なんでもありません。」
俺は慌てて頭を振った。
「ところで、ひかりとシュウのことですが…」
「あ、先日、ホストクラブに行ったことを話しました。
それで、美幸にも行ってみないかと持ち掛けてみたら嬉しそうな顔してましたよ。」
「そうでしたか、それは良かった。
あんたがそんなところへ行って良いなんて言うとは思ってもみなかったでしょうし、ひかりの奴、びっくりしたことでしょうな…」
「あ、あの……」
「何じゃな、野々村さん…」
「そ、それが…ですね…」
「どうかされたんですか、野々村さん?」
俺達がみつめる中で、野々村さんはなかなか言葉を発せず、ただ汗ばかり流していた。
「野々村さん…何か言いにくいことでもあるのか?」
「は、はい……」
消え入りそうな小さな声で、俯いたまま野々村さんは答えた。
「どうしたんじゃ?」
「じ、実は…純平さんとひかりさんが…」
「純平がどうした?」
「純平っていうのは?」
「あぁ、あんたはまだ知らんかったな。
純平っていうのは、シュウの店のホストでな。
アニメを通じて趣味が合って、ひかりが気に入っとるんじゃよ。」
「そうなんですか、それで野々村さん…その人がどうかしたんですか?」
野々村さんは、真剣な顔でお茶をぐいっと飲み干して…
「実は、純平さんとひかりさんはお付き合いをされてるんです。」
「な、なんじゃと!!」
「なんだって!?」
「おつきあいとはいっても、お互いが告白されて、メールや電話で連絡を取り合うだけでした。
ですが、来週の日曜日、純平さんがお休みになるとかで、それで、ひかりさんをデートに誘われたんです!」
「な、なんと…いつからそんな話になっとったんじゃ!?」
「少し前からです。
KEN-Gさんにお伝えしなくてはと思ったんですが、ひかりさんが誰にも言わないでっておっしゃってたもので…い、今まで黙ってて本当にすみません!」
野々村さんは米つきバッタのように、何度も頭を下げた。
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