328 / 761
side 美幸
6
しおりを挟む
兄さんはなにかを考えるように、じっと一点をみつめてた。
一体、何を考えてるんだろう?
緊張で心臓が飛び出しそうだ。
「……俺は、大河内さんと絶対に会うなと言ってるんじゃない。
あんまり親しくして迷惑をかけるんじゃないって言ってるんだ。」
「わかってるよ。
だから、そんなにしょっちゅう会ってるってわけじゃないよ。
今日は久しぶりだったんだもん。」
「カズ…もうそのくらいで良いじゃない。
皆、お腹も減ってるんだし、そろそろ夕食にしようよ。」
「美幸…もう一度聞くが、そのホストとは本当に初めて会ったんだな?」
「本当だよ!
私とホストなんてどこに接点があるっていうの?
おじいさんが連れて来なきゃ、出会うことだってないじゃない。」
兄さんの視線が苦しくて、思わず目をそらしたくなったけど、今逸らしたら嘘がバレてしまう…
そう思って必死で耐えた。
「……わかった。
これからはつまらない嘘は吐くな。
ちゃんと正直に言って行くんだ。」
「わかったよ。」
やった!
兄さんは、私の嘘を信じてくれた!
これで最悪の時は免れた。
そう思うとほっとして、全身の力が抜けるような想いだった。
「じゃあ、夕食の準備にとりかかるね。」
「あ、マイケルさん、私も手伝うよ!」
兄さんからこれ以上何か言われたくなくて、私はマイケルさんに着いて行った。
一体、何を考えてるんだろう?
緊張で心臓が飛び出しそうだ。
「……俺は、大河内さんと絶対に会うなと言ってるんじゃない。
あんまり親しくして迷惑をかけるんじゃないって言ってるんだ。」
「わかってるよ。
だから、そんなにしょっちゅう会ってるってわけじゃないよ。
今日は久しぶりだったんだもん。」
「カズ…もうそのくらいで良いじゃない。
皆、お腹も減ってるんだし、そろそろ夕食にしようよ。」
「美幸…もう一度聞くが、そのホストとは本当に初めて会ったんだな?」
「本当だよ!
私とホストなんてどこに接点があるっていうの?
おじいさんが連れて来なきゃ、出会うことだってないじゃない。」
兄さんの視線が苦しくて、思わず目をそらしたくなったけど、今逸らしたら嘘がバレてしまう…
そう思って必死で耐えた。
「……わかった。
これからはつまらない嘘は吐くな。
ちゃんと正直に言って行くんだ。」
「わかったよ。」
やった!
兄さんは、私の嘘を信じてくれた!
これで最悪の時は免れた。
そう思うとほっとして、全身の力が抜けるような想いだった。
「じゃあ、夕食の準備にとりかかるね。」
「あ、マイケルさん、私も手伝うよ!」
兄さんからこれ以上何か言われたくなくて、私はマイケルさんに着いて行った。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。
ただ、愛されたいと願った。
そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。
◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
陰陽道物語 ~蝶の行きついた場所~ 第三巻
海空 蒼
ファンタジー
事件の主犯格、かつて真神一族を離脱した男・夕凪の根城を突き止めた沙希たち一同。
決行に備えて、それぞれ自分の持ち場につく一方、様子がおかしい風夜とすれ違いにいる沙希。
そんな中、突如夕凪が沙希たちの元へ姿を現した。
「夕凪さんは、悪戯に戦争を引き起こそうとしているわけじゃない。あの人は目的があるんだ」
と紫雨が沙希に伝えた言葉。
夕凪は下界を目の敵にしてまで一体何を成し遂げようとしているのか……。
★こちらは「陰陽道物語 ~忍び寄る暗翳~ 第二巻」の続編になります!
ご覧になっていない方はそちらを読んでいただくことを推奨します。
※表紙のイラストは、にじジャーニーで生成し、ロゴは自分で作成して付け足しました。
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。

果たされなかった約束
家紋武範
恋愛
子爵家の次男と伯爵の妾の娘の恋。貴族の血筋と言えども不遇な二人は将来を誓い合う。
しかし、ヒロインの妹は伯爵の正妻の子であり、伯爵のご令嗣さま。その妹は優しき主人公に密かに心奪われており、結婚したいと思っていた。
このままでは結婚させられてしまうと主人公はヒロインに他領に逃げようと言うのだが、ヒロインは妹を裏切れないから妹と結婚して欲しいと身を引く。
怒った主人公は、この姉妹に復讐を誓うのであった。
※サディスティックな内容が含まれます。苦手なかたはご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる