199 / 761
side 美幸
4
しおりを挟む
「えっ!?あ…あぁ、アンリさんのことですか?
お綺麗だしとっても素敵な方で…青木さんとお似合いだと思いましたよ。
昨夜はお可哀相なことになりましたね。」
「そうかなぁ……
私はそんなに良い感じはしなかったけど……
あの人、スタイル抜群だし…やっぱり、タカミーさんの言った通りなのかな?
兄さんはあの人のことをただ……」
「美幸さん、そんなこと言っちゃ失礼ですよ。
そ、それに……私達には関係ないことじゃないですか。
青木さんとあの方がどういうお付き合いをされようと……
お二人共、立派な大人なんですから。」
「そ、それもそうだね。
……だけど、私には不思議でしょうがなかったんだ。
普通、好きな女の人のことをあんな風に言われたら怒るんじゃないかな?
それに、兄さん…アッシュさんに頼んで自分じゃ追いかけなかった。
だいたい、彼女だ…みたいに言ってたかと思ったら友達だって言い出すし、そうかと思ったらまた彼女だみたいなこと言うしさ……
だけど、皆が帰った後、兄さんはすごく落ちこんでたんだ。
きっと、彼女のこと心配してたんだと思う。
それなのに、今朝、私が聞いたら、タカミーさんの言ったことは冗談だって言うんだ。
彼女もそんなことはわかってるって。
そういうもんなの?私にはさっぱりわけがわからないんだけど……」
なんでだろ?
私、妙に熱くなってる!?
ああいう人達のことは理解出来ないってことで決着がついたはずだったのに、やっぱり、胸の奥でもやもやしてたんだな。
だから、誰かに意見を聞きたかったんだ、きっと。
「……そうですね。
確かに、私にもわかりません。
でも……きっと青木さんには青木さんのお考えがあるんだと思いますよ。
それがどういうお考えなのかは、私には知る術はありません……」
野々村さんの言葉が妙に冷たく感じられた。
兄さんが何を考えてようが、そんなことは関係ないってこと…?
そりゃあ、野々村さんにはおじいさんがいるから、兄さんのことなんて興味ないのかもしれないけどさ……
兄さんの付き合ってる相手っていうのは、下手したら結婚するかもしれないってことで、そしたら、私の姉さんになるかもしれないって人なんだよ?
もう少し真剣に考えてくれても良いのにな……
「美幸さん……?」
返事をしない私に、野々村さんは小首を傾げた。
「そうだね。
あんな偏屈のことなんて考えたって仕方ないね!」
苛々した気持ちを抑えてそう言った時、ちょうど料理が運ばれて来た。
私はこれ幸いと、早速料理を頬張った。
お綺麗だしとっても素敵な方で…青木さんとお似合いだと思いましたよ。
昨夜はお可哀相なことになりましたね。」
「そうかなぁ……
私はそんなに良い感じはしなかったけど……
あの人、スタイル抜群だし…やっぱり、タカミーさんの言った通りなのかな?
兄さんはあの人のことをただ……」
「美幸さん、そんなこと言っちゃ失礼ですよ。
そ、それに……私達には関係ないことじゃないですか。
青木さんとあの方がどういうお付き合いをされようと……
お二人共、立派な大人なんですから。」
「そ、それもそうだね。
……だけど、私には不思議でしょうがなかったんだ。
普通、好きな女の人のことをあんな風に言われたら怒るんじゃないかな?
それに、兄さん…アッシュさんに頼んで自分じゃ追いかけなかった。
だいたい、彼女だ…みたいに言ってたかと思ったら友達だって言い出すし、そうかと思ったらまた彼女だみたいなこと言うしさ……
だけど、皆が帰った後、兄さんはすごく落ちこんでたんだ。
きっと、彼女のこと心配してたんだと思う。
それなのに、今朝、私が聞いたら、タカミーさんの言ったことは冗談だって言うんだ。
彼女もそんなことはわかってるって。
そういうもんなの?私にはさっぱりわけがわからないんだけど……」
なんでだろ?
私、妙に熱くなってる!?
ああいう人達のことは理解出来ないってことで決着がついたはずだったのに、やっぱり、胸の奥でもやもやしてたんだな。
だから、誰かに意見を聞きたかったんだ、きっと。
「……そうですね。
確かに、私にもわかりません。
でも……きっと青木さんには青木さんのお考えがあるんだと思いますよ。
それがどういうお考えなのかは、私には知る術はありません……」
野々村さんの言葉が妙に冷たく感じられた。
兄さんが何を考えてようが、そんなことは関係ないってこと…?
そりゃあ、野々村さんにはおじいさんがいるから、兄さんのことなんて興味ないのかもしれないけどさ……
兄さんの付き合ってる相手っていうのは、下手したら結婚するかもしれないってことで、そしたら、私の姉さんになるかもしれないって人なんだよ?
もう少し真剣に考えてくれても良いのにな……
「美幸さん……?」
返事をしない私に、野々村さんは小首を傾げた。
「そうだね。
あんな偏屈のことなんて考えたって仕方ないね!」
苛々した気持ちを抑えてそう言った時、ちょうど料理が運ばれて来た。
私はこれ幸いと、早速料理を頬張った。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
前世は冷酷皇帝、今世は幼女
まさキチ
ファンタジー
2、3日ごとに更新します!
コミカライズ連載中!
――ひれ伏せ、クズ共よ。
銀髪に青翡翠の瞳、人形のような愛らしい幼女の体で、ユリウス帝は目覚めた。数え切れぬほどの屍を積み上げ、冷酷皇帝として畏れられながら大陸の覇者となったユリウス。だが気が付けば、病弱な貴族令嬢に転生していたのだ。ユーリと名を変え外の世界に飛び出すと、なんとそこは自身が統治していた時代から数百年後の帝国であった。争いのない平和な日常がある一方、貧困や疫病、それらを利用する悪党共は絶えない。「臭いぞ。ゴミの臭いがプンプンする」皇帝の力と威厳をその身に宿す幼女が、帝国を汚す悪を打ち払う――!
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
陰陽道物語 ~蝶の行きついた場所~ 第三巻
海空 蒼
ファンタジー
事件の主犯格、かつて真神一族を離脱した男・夕凪の根城を突き止めた沙希たち一同。
決行に備えて、それぞれ自分の持ち場につく一方、様子がおかしい風夜とすれ違いにいる沙希。
そんな中、突如夕凪が沙希たちの元へ姿を現した。
「夕凪さんは、悪戯に戦争を引き起こそうとしているわけじゃない。あの人は目的があるんだ」
と紫雨が沙希に伝えた言葉。
夕凪は下界を目の敵にしてまで一体何を成し遂げようとしているのか……。
★こちらは「陰陽道物語 ~忍び寄る暗翳~ 第二巻」の続編になります!
ご覧になっていない方はそちらを読んでいただくことを推奨します。
※表紙のイラストは、にじジャーニーで生成し、ロゴは自分で作成して付け足しました。

捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。
ただ、愛されたいと願った。
そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。
◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる