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side 野々村美咲
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(ええっ!?)
まさかとは思うけど、本気でそんなこと考えてらっしゃる?
だって、美幸さんの落胆ぶりはかなり深刻そうで……
(大丈夫ですよ。
そんなこと、絶対起こりませんって!)
(どうして!?
最初はそんな気はなくても、何かの弾みでってことってけっこうあるみたいだよ。
テレビでもそういう話聞いたことあるし……)
(で、でも、青木さんに限ってそんなこと……)
(そんな風になった人の家族は、みな最初はそう思ってるんだよ。)
(そ、それは……)
美幸さんにそんな風に言われると、だんだん私も不安な気分になって来て……
(なんじゃ、なんじゃ。
二人で内緒話なのか?
わしも混ぜておくれ。)
突然、傍に来られたKEN‐Gさんに、私達は口をつぐんだ。
(あー…お邪魔じゃったかのう?)
(そ、そうじゃないんです。
あの…その…あ、次はいつシュウさんのお店に行けるのかしら…なんて…)
私は、KEN-Gさんが気を悪くされないようにと慌てて考え、咄嗟にそんなことを口にしていた。
(なんじゃ、そんなことか。
それなら、いつでも良いぞ。
二人の都合の良い日で……
今週はわしも暇じゃしな。)
(そうなの?
じゃ、近いうちに行こうよ!
遅くとも今週中に…)
美幸さんは意外な程、乗り気で、そう言って身を乗り出された。
(あぁ、ええぞ。
そうしよう。)
(美幸…当日は、タカミーにメイクをしてもらったらどうじゃ?)
(えっ!?私がお化粧?)
(美幸…ここに良い見本がいるじゃないか。
タカミーにメイクしてもらったら、野々村さんの女っぷりがこんなに上がったんじゃぞ。)
(だ、だって…野々村さんはもともとが綺麗なんだし…
その点、私は……)
(そんなことありませんって。
これはすべてタカミーさんのおかげなんですよ。
それに、ほら…私、お鍋食べたのに化粧崩れしてないでしょう?
さすがはプロだって、さっきから実は感心してたんです。)
(そうなんだ~……)
美幸さんは、まじまじと私の顔をみつめながら、ゆっくりと頷かれた。
(じゃあ、これで決まりじゃな。
タカミーにはわしから頼んでおこう。)
(あ、ありがとう……)
はにかむ美幸さんを見て、KEN-Gさんはとても嬉しそうな顔で微笑まれた。
まさかとは思うけど、本気でそんなこと考えてらっしゃる?
だって、美幸さんの落胆ぶりはかなり深刻そうで……
(大丈夫ですよ。
そんなこと、絶対起こりませんって!)
(どうして!?
最初はそんな気はなくても、何かの弾みでってことってけっこうあるみたいだよ。
テレビでもそういう話聞いたことあるし……)
(で、でも、青木さんに限ってそんなこと……)
(そんな風になった人の家族は、みな最初はそう思ってるんだよ。)
(そ、それは……)
美幸さんにそんな風に言われると、だんだん私も不安な気分になって来て……
(なんじゃ、なんじゃ。
二人で内緒話なのか?
わしも混ぜておくれ。)
突然、傍に来られたKEN‐Gさんに、私達は口をつぐんだ。
(あー…お邪魔じゃったかのう?)
(そ、そうじゃないんです。
あの…その…あ、次はいつシュウさんのお店に行けるのかしら…なんて…)
私は、KEN-Gさんが気を悪くされないようにと慌てて考え、咄嗟にそんなことを口にしていた。
(なんじゃ、そんなことか。
それなら、いつでも良いぞ。
二人の都合の良い日で……
今週はわしも暇じゃしな。)
(そうなの?
じゃ、近いうちに行こうよ!
遅くとも今週中に…)
美幸さんは意外な程、乗り気で、そう言って身を乗り出された。
(あぁ、ええぞ。
そうしよう。)
(美幸…当日は、タカミーにメイクをしてもらったらどうじゃ?)
(えっ!?私がお化粧?)
(美幸…ここに良い見本がいるじゃないか。
タカミーにメイクしてもらったら、野々村さんの女っぷりがこんなに上がったんじゃぞ。)
(だ、だって…野々村さんはもともとが綺麗なんだし…
その点、私は……)
(そんなことありませんって。
これはすべてタカミーさんのおかげなんですよ。
それに、ほら…私、お鍋食べたのに化粧崩れしてないでしょう?
さすがはプロだって、さっきから実は感心してたんです。)
(そうなんだ~……)
美幸さんは、まじまじと私の顔をみつめながら、ゆっくりと頷かれた。
(じゃあ、これで決まりじゃな。
タカミーにはわしから頼んでおこう。)
(あ、ありがとう……)
はにかむ美幸さんを見て、KEN-Gさんはとても嬉しそうな顔で微笑まれた。
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