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side 野々村美咲
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「あ……わかった!
もしかしたら、親しいお友達か……或いは美幸さんご本人を主人公にされたんじゃないですか!?」
わざとらしくならないように気をつけながら、私はそんなことを言って美幸さんにかまをかけた。
「えっ!ど、どうしてわかったの!?」
「どうしてって…小説家の方はよくそんな風にされてるみたいですよ。
やっぱり、ご自分や身近な方のことだとよく知ってるだけに、リアルに書けるからじゃないですか?」
私にしては思いきった質問だったけど、美幸さんは意外な程素直に認めて下さった。
やっぱりここまでのことは、何の変更もなく時間は進んでるんだ…
「そうだよね…
それに、私みたいに何の取り柄もない子が主人公っていうのも面白いかなぁ…なんて思ったんだけど、よく考えたら、イケメンと冴えない女の子の恋愛ものってけっこうあったんだよね…
でもね……恥ずかしい話なんだけど、書いててけっこう楽しいんだ。
現実には、イケメンが私のことなんて好きになるはずないけど、小説ではどんなに夢みたいなことも自由に書けるから…
あ、そうだ!兄さんには私が小説書いてること、絶対に言わないでね!
絶対、馬鹿にされるから…」
「安心して下さい。
誰にも言いませんよ。
でも、美幸さんが書かれた小説…私、ぜひ読んでみたいです!」
「う~ん…でも、書いてるって言ったって最近は全然更新してないし、だいたい、あまりに痛い小説だから非公開にしてるから…
もう少しまともなものが書けるようになってからじゃないと…
あ…野々村さん、ちょっと待ってて。
は、はーーい!」
何か話し声のようなものと物音がしたと思ったら、美幸さんは一方的に電話を切られてしまわれた。
もしかしたら、親しいお友達か……或いは美幸さんご本人を主人公にされたんじゃないですか!?」
わざとらしくならないように気をつけながら、私はそんなことを言って美幸さんにかまをかけた。
「えっ!ど、どうしてわかったの!?」
「どうしてって…小説家の方はよくそんな風にされてるみたいですよ。
やっぱり、ご自分や身近な方のことだとよく知ってるだけに、リアルに書けるからじゃないですか?」
私にしては思いきった質問だったけど、美幸さんは意外な程素直に認めて下さった。
やっぱりここまでのことは、何の変更もなく時間は進んでるんだ…
「そうだよね…
それに、私みたいに何の取り柄もない子が主人公っていうのも面白いかなぁ…なんて思ったんだけど、よく考えたら、イケメンと冴えない女の子の恋愛ものってけっこうあったんだよね…
でもね……恥ずかしい話なんだけど、書いててけっこう楽しいんだ。
現実には、イケメンが私のことなんて好きになるはずないけど、小説ではどんなに夢みたいなことも自由に書けるから…
あ、そうだ!兄さんには私が小説書いてること、絶対に言わないでね!
絶対、馬鹿にされるから…」
「安心して下さい。
誰にも言いませんよ。
でも、美幸さんが書かれた小説…私、ぜひ読んでみたいです!」
「う~ん…でも、書いてるって言ったって最近は全然更新してないし、だいたい、あまりに痛い小説だから非公開にしてるから…
もう少しまともなものが書けるようになってからじゃないと…
あ…野々村さん、ちょっと待ってて。
は、はーーい!」
何か話し声のようなものと物音がしたと思ったら、美幸さんは一方的に電話を切られてしまわれた。
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