赤い流れ星3

ルカ(聖夜月ルカ)

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side 美幸

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 「なんだかすっごく高級なお店だね。」

 席に着くなり、アッシュさんが部屋の中を見渡して口笛を吹いた。
 通された部屋は個室だし、しかも、お座敷。
ビルの中なのに、小さな障子の向こうには小さな庭みたいなものまで造ってある。
こりゃあ、一人数万円…いや、もう一つ桁が上かもしれないよ。
おじいさん…いくらお金持ちとはいえ、お昼から張り込み過ぎじゃないですか…!?



 「残念だねぇ…カズやマイケルは来られなくて…」

 「仕事じゃ仕方ないからのぅ…
まぁ、また今度、一緒に来よう。」

 兄さんとマイケルさんはあの後、すぐに家に戻って行った。
 兄さんならともかく、あのしっかり者のマイケルさんまでもがうっかりしてたなんて、ちょっとびっくりだ。
このところかなり忙しかったみたいだから、そういうミスをしてしまうのかな…



「あ、そうじゃ…実は頼みがあってのう…」

そう言いながら、おじいさんがテーブルの上に差し出したのは最新モデルのスマホだった。



 「わぁ!おじいさん、スマホなんて持ってるの!?」

 良いなぁ……
私もずっと興味はあるものの、お金もないし、ちょっと難しいのかな?なんていうのもあって我慢してるんだもん。
でも、今の携帯はもう二年近く使ってるし、電池の減りも早くなって来たから、ちょっと真剣にスマホに機種変を考え始めたところだったから、私の視線は目の前のスマホに釘付けになってしまった。



 「まぁな…じゃが…残念ながら使い方がさっぱりわからん。
それで、皆のメアドや電話番号を登録して、使い方を教えてほしいんじゃ。
なに、電話のかけかたやメールの見方だけで構わんよ。」

 「使い方がわからないのに、スマホに変えちゃうなんていかにもKEN-Gらしいね。
でも、それじゃ、困るでしょ?
 仕事関係の連絡もけっこうあるんじゃないの?」

 「そうなんじゃ…だから、連絡用の携帯は以前から持たされてるんじゃが、ほれ…これなんじゃが、これは高齢者向きの携帯なんじゃと、つい最近知ったんじゃ。
もう~!皆、わしの事を年寄り扱いしおって…!
でな……秘書達には内緒で、わし、自分でこの携帯を契約して来たんじゃ。」

おじいさんは声をひそめてそう言うと、悪戯っぽい笑みを浮かべた。
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