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side 和彦
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「兄さん、どうもありがとう!」
ゲーム機とソフトを買ってやったら、美幸の機嫌はすこぶる良いものになった。
そんなものくらいでそれほどの笑顔が見られるのなら、安い物だ。
それに、こんな風に兄妹二人で買い物するなんて、一体、何年ぶりのことだろう?
多分、もう十年…いや、二十年近く前のことになるだろうか…
(冷たい兄貴だな、俺も……)
これからはもう少し美幸とも一緒に過ごすようにして……
って、今は一緒に住んでるし職場も同じだが、いまひとつ密な接触はしていなかったから、これからはもっと兄らしいことをしてやりたいと思った。
(でも、兄らしいことって、何をすれば……)
そんなことさえわからない自分自身に、俺の口元には自嘲めいた笑みが浮かんだ。
「あ、美幸…
あそこに入ろう。」
「え…あ、うん。」
俺が次に美幸を連れて行ったのは、アクセサリーの店だ。
俺も何度か来たことがある店だが、パワーストーンの種類が豊富で、マイケルやアッシュのお気に入りの店だ。
「あ、マイケルさん達になにか買うの?」
「そうなんだ。
あいつら、パワーストーンが好きだからな。
でも、あいつらたくさん持ってるからなぁ…」
「じゃあ、一番新しく入ったものにすれば?
だったら、持ってないんじゃない?」
「それもそうだな。」
美幸に言われた通り、俺は店員にそのことを訊ねてみた。
すると、幸いなことに、その店員はアッシュ達のことをよく知っており、そのおかげで彼らの好きな石やブレスレットのサイズもわかり、昨日入荷したばかりだという珍しい石をいくつかすすめられた。
「じゃあ、これとこれをお願いします。」
アッシュとマイケルへのプレゼントが決まり、ほっとしていると、美幸が壁にかけられたペンダントを手に取ってながめていた。
美幸は、普段からアクセサリーというものをまるで身につけない。
その美幸がペンダントに関心を持っているなんて、とても意外な光景だった。
美幸が見ていたのは、透かし彫りのシルバーの台に楕円系のピンクの石がはめ込まれているもの。
同じデザインで、石の違うものが何種類も並んでいた。
「兄さん、どうもありがとう!」
ゲーム機とソフトを買ってやったら、美幸の機嫌はすこぶる良いものになった。
そんなものくらいでそれほどの笑顔が見られるのなら、安い物だ。
それに、こんな風に兄妹二人で買い物するなんて、一体、何年ぶりのことだろう?
多分、もう十年…いや、二十年近く前のことになるだろうか…
(冷たい兄貴だな、俺も……)
これからはもう少し美幸とも一緒に過ごすようにして……
って、今は一緒に住んでるし職場も同じだが、いまひとつ密な接触はしていなかったから、これからはもっと兄らしいことをしてやりたいと思った。
(でも、兄らしいことって、何をすれば……)
そんなことさえわからない自分自身に、俺の口元には自嘲めいた笑みが浮かんだ。
「あ、美幸…
あそこに入ろう。」
「え…あ、うん。」
俺が次に美幸を連れて行ったのは、アクセサリーの店だ。
俺も何度か来たことがある店だが、パワーストーンの種類が豊富で、マイケルやアッシュのお気に入りの店だ。
「あ、マイケルさん達になにか買うの?」
「そうなんだ。
あいつら、パワーストーンが好きだからな。
でも、あいつらたくさん持ってるからなぁ…」
「じゃあ、一番新しく入ったものにすれば?
だったら、持ってないんじゃない?」
「それもそうだな。」
美幸に言われた通り、俺は店員にそのことを訊ねてみた。
すると、幸いなことに、その店員はアッシュ達のことをよく知っており、そのおかげで彼らの好きな石やブレスレットのサイズもわかり、昨日入荷したばかりだという珍しい石をいくつかすすめられた。
「じゃあ、これとこれをお願いします。」
アッシュとマイケルへのプレゼントが決まり、ほっとしていると、美幸が壁にかけられたペンダントを手に取ってながめていた。
美幸は、普段からアクセサリーというものをまるで身につけない。
その美幸がペンダントに関心を持っているなんて、とても意外な光景だった。
美幸が見ていたのは、透かし彫りのシルバーの台に楕円系のピンクの石がはめ込まれているもの。
同じデザインで、石の違うものが何種類も並んでいた。
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