60 / 761
side 野々村美咲
1
しおりを挟む
*
(どうしたのかしら?)
私は家に戻ると、すぐにさっきのことを美幸さんにメールした。
帰りに偶然おじいさんに会ったこと。
今しばらくは忙しいけど、来週の半ば以降は時間があるから、ぜひ、遊びにきてほしいと言付かってきたことを。
それと、おじいさんとの食事が済んで店を出ようとした少し前に、何かの話から、今夜は本当は一緒にカラオケにも行く筈だったことを話し、なぜ、行かなかったのかと訊ねられた私は、咄嗟に、帰りの車に酔って気分が悪くなったからって嘘を吐いた。
用事を思い出したっていう言い訳が、いかにもわざとらしくて嘘臭いと感じていたせいかもしれない。
おじいさんにそう言ってしまった以上、もしも、この先、その話が出たらおかしな具合になると思って、私はそのことも少し書き添えておいた。
用を思い出したといったけど、本当はあの時、車に酔って気分が悪かったのだと。
最初からそう言えば良かった…
でも、そんなことを言ったら、心配をかけてしまったかもしれないから、やっぱり用があったと言って正解だったのか…
なのに、今更こんなことを書くのはおかしいだろうかと、あれこれとつまらないことをくどくどと考えながら…
いつもなら、すぐに返信のある美幸さんから返事がない。
しばらく待っていたけど戻って来る気配もないから、私はお風呂に入った。
お風呂から上がっても、まだ美幸さんからの返信は届いてなかった。
ふと見ると、時計の針はもう真夜中の刻を指していて…
食事の後、カラオケに行くことにはなっていたけどいくらなんでもこんな時間までは歌われてないんじゃないかしら。
今日は朝早くから遊びまわったから、皆さん、お疲れの筈だもの。
もしかしたら、疲れてもう寝てしまわれたのかもしれない。
もしそうだったら悪いと思い、私はそれ以上メールを送るのはやめた。
私も疲れた。
肉体的な疲労もだけど、それよりはおじいさんから何か聞き出そうと神経を使ったせいと、いつもよりずっとたくさん喋ったせいかもしれない。
真夜中とはいえ、いつもならまだ起きてる時間だったけど、さすがに眠くなった私は早めにベッドに横になった。
(どうしたのかしら?)
私は家に戻ると、すぐにさっきのことを美幸さんにメールした。
帰りに偶然おじいさんに会ったこと。
今しばらくは忙しいけど、来週の半ば以降は時間があるから、ぜひ、遊びにきてほしいと言付かってきたことを。
それと、おじいさんとの食事が済んで店を出ようとした少し前に、何かの話から、今夜は本当は一緒にカラオケにも行く筈だったことを話し、なぜ、行かなかったのかと訊ねられた私は、咄嗟に、帰りの車に酔って気分が悪くなったからって嘘を吐いた。
用事を思い出したっていう言い訳が、いかにもわざとらしくて嘘臭いと感じていたせいかもしれない。
おじいさんにそう言ってしまった以上、もしも、この先、その話が出たらおかしな具合になると思って、私はそのことも少し書き添えておいた。
用を思い出したといったけど、本当はあの時、車に酔って気分が悪かったのだと。
最初からそう言えば良かった…
でも、そんなことを言ったら、心配をかけてしまったかもしれないから、やっぱり用があったと言って正解だったのか…
なのに、今更こんなことを書くのはおかしいだろうかと、あれこれとつまらないことをくどくどと考えながら…
いつもなら、すぐに返信のある美幸さんから返事がない。
しばらく待っていたけど戻って来る気配もないから、私はお風呂に入った。
お風呂から上がっても、まだ美幸さんからの返信は届いてなかった。
ふと見ると、時計の針はもう真夜中の刻を指していて…
食事の後、カラオケに行くことにはなっていたけどいくらなんでもこんな時間までは歌われてないんじゃないかしら。
今日は朝早くから遊びまわったから、皆さん、お疲れの筈だもの。
もしかしたら、疲れてもう寝てしまわれたのかもしれない。
もしそうだったら悪いと思い、私はそれ以上メールを送るのはやめた。
私も疲れた。
肉体的な疲労もだけど、それよりはおじいさんから何か聞き出そうと神経を使ったせいと、いつもよりずっとたくさん喋ったせいかもしれない。
真夜中とはいえ、いつもならまだ起きてる時間だったけど、さすがに眠くなった私は早めにベッドに横になった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる
暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。
授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。

5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。

間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“
瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
だが、死亡する原因には不可解な点が…
数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、
神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
*
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる