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side 美幸
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「すっごく楽しかったねぇ~!
また乗ろうよ!ね!」
はしゃぐアッシュさんと、なんだか酷く顔色の悪くなった兄さんがようやく戻って来た。
私と野々村さんは、なんとなく気まずいっていうのか…お互いがそれを隠そうとしているせいか、なんだか妙~な雰囲気で話してて…兄さん達のことも見るのをすっかり忘れてた。
「もう乗らないって言ってるだろ。
俺達のせいで、美幸や野々村さんに退屈な想いをさせてしまったじゃないか。
野々村さん、すみませんでした。」
兄さんは、ジェットコースターの後遺症(?)なのか、強張った顔で、野々村さんに小さく頭を下げる。
「い、いえ…
私は退屈なんて少しも…
美幸さんといろいろお話させていただいて、楽しかったです。」
野々村さんは兄さんと視線を合わせないまま、そう言った。
そりゃあ、そう言うしかないもんね…
でも、野々村さんは全然楽しそうじゃなかったよ。
こんなことなら、おじいさんのことでも話した方が盛りあがったかもしれない。
だけど、好きな人がいることは聞いたけど、それがおじいさんだってことはまだ野々村さんから告白されたわけでもないし、それに私達は知り合って間もないわけだし、プライベートな問題だからちょっと遠慮しちゃうよね。
でも、そういう遠慮が却って良くないのかも…なんてことは、たいてい後になって思うもの…
「じゃ…じゃあ、今度は四人で乗れるものにしようよ。
どれが良いかな?
あ……私、なにかお土産が買いたいな!」
見渡した視界の中に私はお土産売り場の看板をみつけ、咄嗟にそんなことを口走った。
とにかく、その場の雰囲気をどうにかして盛り上げたかったから。
「土産…?
誰に買うんだ?」
「だ、誰って…それは母さんとか……それに……」
兄さん…その質問はいやがらせですか?
私には、お土産を送るような友達がいないことくらい知ってるでしょうに…
「それに」と言ったものの、その後が続かない……
「すっごく楽しかったねぇ~!
また乗ろうよ!ね!」
はしゃぐアッシュさんと、なんだか酷く顔色の悪くなった兄さんがようやく戻って来た。
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「もう乗らないって言ってるだろ。
俺達のせいで、美幸や野々村さんに退屈な想いをさせてしまったじゃないか。
野々村さん、すみませんでした。」
兄さんは、ジェットコースターの後遺症(?)なのか、強張った顔で、野々村さんに小さく頭を下げる。
「い、いえ…
私は退屈なんて少しも…
美幸さんといろいろお話させていただいて、楽しかったです。」
野々村さんは兄さんと視線を合わせないまま、そう言った。
そりゃあ、そう言うしかないもんね…
でも、野々村さんは全然楽しそうじゃなかったよ。
こんなことなら、おじいさんのことでも話した方が盛りあがったかもしれない。
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