171 / 393
厄日
1
しおりを挟む
(はぁぁぁ~あぢぃ~…)
身を焦がすような太陽に熱せられ、空気はまさにサウナ状態だ。
拭いても拭いても汗が吹き出す。
冷たく冷やして来たお茶はもはや生温い。
仕方ないから、それを飲むと、飲んだ分だけ汗が出る。
(修行級の辛さだな。)
お盆に墓参りなんて、一体誰が決めたんだ?
おそらく昔の盆はここまで暑くはなかったんだろう。
心の中で愚痴をこぼしながらでも、俺が墓参りに行くのは、やはりばあちゃんにお世話になったからに他ならない。
小さい頃は両親が共働きだったから、俺の親代わりはばあちゃんだった。
ばあちゃんはきかん坊の俺をあやし、反抗期の俺をなだめ、俺がようやくまともになった頃に逝ってしまった。
苦労ばかりさせて来たんだから、墓参りくらい行かないとバチが当たる。
(あぁ、疲れた。)
山の上に建つばあちゃんの墓にようやくたどり着き、墓を清め、花を飾り、線香を立てて手を合わせる。
心の中で近況を報告した。
今でもきっとばあちゃんは俺を見守ってくれているはずだ。
(……ん?)
頬に雨粒が一粒落ちた。
え?雨…?あんなに晴れてたのに?
(えーっ!)
突然、バケツをひっくり返したような土砂降りだ。
所謂、ゲリラ豪雨というやつだ。
山だから、身を隠す場所すらない。
とりあえず、全速力で山を駆け下りる。
もう全身ずぶ濡れだ。
雨に打たれながら、ひたすら走り、どうにか麓に着いた時、雨がやんだ。
こんなずぶ濡れでは、バスにも乗れない。
仕方なく、徒歩でばあちゃんの家まで戻った。
(あづい…)
今日はさんざん歩いて疲れ果てているというのに、眠くなってうとうとすると暑さで目が覚める。
ばあちゃんの家は、今誰も住んでないから、電気も止まっている。
扇風機さえ使えない。
窓を全開にしても、入ってくるのは熱風だ。
こんなことなら、遅くなってからでも家に帰れば良かった。
しばらく外にいたら、服もそこそこ乾いただろうに。
「あぁ、あぢぃ~!」
真っ暗な部屋で叫びながら、俺は眠れない夜にのたうち回った。
身を焦がすような太陽に熱せられ、空気はまさにサウナ状態だ。
拭いても拭いても汗が吹き出す。
冷たく冷やして来たお茶はもはや生温い。
仕方ないから、それを飲むと、飲んだ分だけ汗が出る。
(修行級の辛さだな。)
お盆に墓参りなんて、一体誰が決めたんだ?
おそらく昔の盆はここまで暑くはなかったんだろう。
心の中で愚痴をこぼしながらでも、俺が墓参りに行くのは、やはりばあちゃんにお世話になったからに他ならない。
小さい頃は両親が共働きだったから、俺の親代わりはばあちゃんだった。
ばあちゃんはきかん坊の俺をあやし、反抗期の俺をなだめ、俺がようやくまともになった頃に逝ってしまった。
苦労ばかりさせて来たんだから、墓参りくらい行かないとバチが当たる。
(あぁ、疲れた。)
山の上に建つばあちゃんの墓にようやくたどり着き、墓を清め、花を飾り、線香を立てて手を合わせる。
心の中で近況を報告した。
今でもきっとばあちゃんは俺を見守ってくれているはずだ。
(……ん?)
頬に雨粒が一粒落ちた。
え?雨…?あんなに晴れてたのに?
(えーっ!)
突然、バケツをひっくり返したような土砂降りだ。
所謂、ゲリラ豪雨というやつだ。
山だから、身を隠す場所すらない。
とりあえず、全速力で山を駆け下りる。
もう全身ずぶ濡れだ。
雨に打たれながら、ひたすら走り、どうにか麓に着いた時、雨がやんだ。
こんなずぶ濡れでは、バスにも乗れない。
仕方なく、徒歩でばあちゃんの家まで戻った。
(あづい…)
今日はさんざん歩いて疲れ果てているというのに、眠くなってうとうとすると暑さで目が覚める。
ばあちゃんの家は、今誰も住んでないから、電気も止まっている。
扇風機さえ使えない。
窓を全開にしても、入ってくるのは熱風だ。
こんなことなら、遅くなってからでも家に帰れば良かった。
しばらく外にいたら、服もそこそこ乾いただろうに。
「あぁ、あぢぃ~!」
真っ暗な部屋で叫びながら、俺は眠れない夜にのたうち回った。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
後悔と快感の中で
なつき
エッセイ・ノンフィクション
後悔してる私
快感に溺れてしまってる私
なつきの体験談かも知れないです
もしもあの人達がこれを読んだらどうしよう
もっと後悔して
もっと溺れてしまうかも
※感想を聞かせてもらえたらうれしいです
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
アルファポリス収益報告書 初心者の1ヶ月の収入 お小遣い稼ぎ(投稿インセンティブ)スコアの換金&アクセス数を増やす方法 表紙作成について
黒川蓮
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスさんで素人が投稿を始めて約2ヶ月。書いたらいくら稼げたか?24hポイントと獲得したスコアの換金方法について。アルファポリスを利用しようか迷っている方の参考になればと思い書いてみました。その後1ヶ月経過、実践してみてアクセスが増えたこと、やると増えそうなことの予想も書いています。ついでに、小説家になるためという話や表紙作成方法も書いてみましたm(__)m
アルファポリスとカクヨムってどっちが稼げるの?
無責任
エッセイ・ノンフィクション
基本的にはアルファポリスとカクヨムで執筆活動をしています。
どっちが稼げるのだろう?
いろんな方の想いがあるのかと・・・。
2021年4月からカクヨムで、2021年5月からアルファポリスで執筆を開始しました。
あくまで、僕の場合ですが、実データを元に・・・。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
パパー!紳士服売り場にいた家族の男性は夫だった…子供を抱きかかえて幸せそう…なら、こちらも幸せになりましょう
白崎アイド
大衆娯楽
夫のシャツを買いに紳士服売り場で買い物をしていた私。
ネクタイも揃えてあげようと売り場へと向かえば、仲良く買い物をする男女の姿があった。
微笑ましく思うその姿を見ていると、振り向いた男性は夫だった…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる