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空を見上げて
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「本当にすっごく良いのよ!
私、このサプリを飲み始めてから、メガネがいらなくなったのよ。」
そんなことを言われ、気弱な私はもうとても断われなかった。
松井さんは、お向かいに住んでる人だ。
サプリメントマニアが加熱して、最近、販売を始めたそうだ。
「私達ももう若くないんだし、この歳になったら、体のメンテナンスは欠かせないわよ。」
断って、気まずくなるのもいやだから、私は松井さんのすすめる目のサプリメントを買うことにした。
1ヶ月分が約5000円。
決して安くはないけれど、買えない程ではない。
それに、確かに最近目がしょぼしょぼしたり、霞んだりする。
この前もスーパーで、値段が良く見えずに高い魚を買ってしまった。
私は普段から贅沢もしてないんだから、このくらいなら、
夫だって怒らないはずだ。
そんなことを考えながら、私はサプリメントを購入し、飲み始めた。
しばらくすると、目がしょぼしょぼしなくなった。
(高いだけのことはあるわね。意外と効果あるのかも。)
スーパーの値札もだいぶハッキリ見えるようになっていた。
それにしても暑い。
今年は空梅雨で、雨はほとんど降らず、まだ6月だというのに、真夏日が続いている。
ぎらつく太陽が憎たらしい。
(え……)
ふと見上げた空に、不思議なものが浮かんでた。
丸い、銀色の……
えっ!?も、もしかして、UFO?
そんなわけないわよね。
私は目を凝らし、またそれを見てみる。
不思議な物体は、ただ静かに浮かんでる。
「あっ!」
不思議な物体がおかしな動きを始めた。
多分、ジグザグ飛行というやつだ。
そうだ!スマホで撮らなきゃ!
空を気にしながら、片手でバッグをゴソゴソする。
焦ってるせいか、なかなかスマホが出て来ない。
(あ、あった!)
スマホを引っ張り出した時、不思議な物体は唐突に消えた。
「え、ど、どこ~?」
辺りを見渡しても、空にはもう何も無かった。
がっかりして、体の力が一気に抜けた。
*
「あ、松井さん。」
私は来月も、サプリを継続したいことを申し出た。
今度、もしもまたアレに遭遇した時に見逃したくはないから。
私、このサプリを飲み始めてから、メガネがいらなくなったのよ。」
そんなことを言われ、気弱な私はもうとても断われなかった。
松井さんは、お向かいに住んでる人だ。
サプリメントマニアが加熱して、最近、販売を始めたそうだ。
「私達ももう若くないんだし、この歳になったら、体のメンテナンスは欠かせないわよ。」
断って、気まずくなるのもいやだから、私は松井さんのすすめる目のサプリメントを買うことにした。
1ヶ月分が約5000円。
決して安くはないけれど、買えない程ではない。
それに、確かに最近目がしょぼしょぼしたり、霞んだりする。
この前もスーパーで、値段が良く見えずに高い魚を買ってしまった。
私は普段から贅沢もしてないんだから、このくらいなら、
夫だって怒らないはずだ。
そんなことを考えながら、私はサプリメントを購入し、飲み始めた。
しばらくすると、目がしょぼしょぼしなくなった。
(高いだけのことはあるわね。意外と効果あるのかも。)
スーパーの値札もだいぶハッキリ見えるようになっていた。
それにしても暑い。
今年は空梅雨で、雨はほとんど降らず、まだ6月だというのに、真夏日が続いている。
ぎらつく太陽が憎たらしい。
(え……)
ふと見上げた空に、不思議なものが浮かんでた。
丸い、銀色の……
えっ!?も、もしかして、UFO?
そんなわけないわよね。
私は目を凝らし、またそれを見てみる。
不思議な物体は、ただ静かに浮かんでる。
「あっ!」
不思議な物体がおかしな動きを始めた。
多分、ジグザグ飛行というやつだ。
そうだ!スマホで撮らなきゃ!
空を気にしながら、片手でバッグをゴソゴソする。
焦ってるせいか、なかなかスマホが出て来ない。
(あ、あった!)
スマホを引っ張り出した時、不思議な物体は唐突に消えた。
「え、ど、どこ~?」
辺りを見渡しても、空にはもう何も無かった。
がっかりして、体の力が一気に抜けた。
*
「あ、松井さん。」
私は来月も、サプリを継続したいことを申し出た。
今度、もしもまたアレに遭遇した時に見逃したくはないから。
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