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いらっしゃいませ
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今年は例年以上に雪が多い。
だから、うちのカフェも客入りは少ない。
このままじゃ、店の売り上げはガタ落ちだ。
店の前はオープンテラスになってるんだけど、こんな寒い季節に外にいたい客もいないし、ただでさえ雪がどんどん積もっていくから、テーブルや椅子も出せない。
(困ったな…)
暗い気持ちで雪かきをしていると、僕の脳裏に一瞬の閃きが走った。
(そうだ…!)
僕は、バイトの子達と一緒に、いくつかのかまくらを作った。
かまくらなら、少なくとも寒くはない。
それに、かまくらなんて地元の者には面白くもなんともないだろうが、観光客にはけっこうウケるんじゃないだろうか?
だけど、これだけじゃだめだ。
何か、人を惹きつけるものをプラスしないと。
かまくらに関するメニューでも作るか?
「やりましたよ~!」
僕が頭を悩ませていると、店の中からバイトの男子が駆け出してきた。
「どうかしたのか?」
「金です、金!
スピードスケートの太田選手が金メダルを取りました!」
「おぉ~~!」
そこらにいた者達が感嘆の声を上げた。
オリンピックには、みんな関心があるんだな。
(……ん?これだ!)
僕は早速、タブレットを手に入れた。
店にはWi-Fiが通ってるから、かまくらの中でも、無事にテレビは映った。
『かまくらカフェでオリンピックを見よう!』
僕はすぐにそのことをSNSで発信した。
僕の狙いは当たった。
次の日から、店にはたくさんの客が押しかけた。
テラスのかまくら席はあっという間に埋まってしまう。
店の中にも大型のテレビを設置してオリンピックの中継を流したら、店内も満席になるようになった。
オリンピックの力はたいしたもんだ。
「カマクラノ席、アリマスカ?」
「はい、今ならありますよ。」
ある時、背の高い、若い三人組が店に来た。
少し話してみると、彼らはオーストラリア人で、日本の文化が大好きだということだった。
特に、歌舞伎に強い興味があり、明日は初めて歌舞伎を見るのだと嬉しそうに話してくれた。
彼らは雪も今までほとんど見たことがなかったらしく、かまくらのことも、とても喜んでくれた。
苦し紛れに考え出したアイディアだったが、思った以上に良い結果を生み出すことが出来て、僕はほっと胸を撫で下ろした。
だから、うちのカフェも客入りは少ない。
このままじゃ、店の売り上げはガタ落ちだ。
店の前はオープンテラスになってるんだけど、こんな寒い季節に外にいたい客もいないし、ただでさえ雪がどんどん積もっていくから、テーブルや椅子も出せない。
(困ったな…)
暗い気持ちで雪かきをしていると、僕の脳裏に一瞬の閃きが走った。
(そうだ…!)
僕は、バイトの子達と一緒に、いくつかのかまくらを作った。
かまくらなら、少なくとも寒くはない。
それに、かまくらなんて地元の者には面白くもなんともないだろうが、観光客にはけっこうウケるんじゃないだろうか?
だけど、これだけじゃだめだ。
何か、人を惹きつけるものをプラスしないと。
かまくらに関するメニューでも作るか?
「やりましたよ~!」
僕が頭を悩ませていると、店の中からバイトの男子が駆け出してきた。
「どうかしたのか?」
「金です、金!
スピードスケートの太田選手が金メダルを取りました!」
「おぉ~~!」
そこらにいた者達が感嘆の声を上げた。
オリンピックには、みんな関心があるんだな。
(……ん?これだ!)
僕は早速、タブレットを手に入れた。
店にはWi-Fiが通ってるから、かまくらの中でも、無事にテレビは映った。
『かまくらカフェでオリンピックを見よう!』
僕はすぐにそのことをSNSで発信した。
僕の狙いは当たった。
次の日から、店にはたくさんの客が押しかけた。
テラスのかまくら席はあっという間に埋まってしまう。
店の中にも大型のテレビを設置してオリンピックの中継を流したら、店内も満席になるようになった。
オリンピックの力はたいしたもんだ。
「カマクラノ席、アリマスカ?」
「はい、今ならありますよ。」
ある時、背の高い、若い三人組が店に来た。
少し話してみると、彼らはオーストラリア人で、日本の文化が大好きだということだった。
特に、歌舞伎に強い興味があり、明日は初めて歌舞伎を見るのだと嬉しそうに話してくれた。
彼らは雪も今までほとんど見たことがなかったらしく、かまくらのことも、とても喜んでくれた。
苦し紛れに考え出したアイディアだったが、思った以上に良い結果を生み出すことが出来て、僕はほっと胸を撫で下ろした。
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