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第12章…双子の王子様

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「あれ以来、全然会いに来てくれないと思ったら、どっかの国のお姫様と婚約だなんて聞いたけど、まさか…本当のことじゃないわよね!」

「本当に決まってるだろう!」

「なんですって~~!!」

ミカエルの首に掴みかかる女を、ルーファスとラビッツが静止しようとするが、二人とも簡単に跳ね飛ばされる。



「騒々しいな!なにごとだ!」

「あ、国王!」

「そなたは誰だ?」

「私は、ガーラというものです。」

「そのガーラとやらが、何用だ?
ミカエル、この者と知り合いなのか?」

「知り合いっていうか、なんていうか……」

ミカエルは歯切れの悪い言葉を返した。



「知り合い等ではありません!
私は、ミカエル王子と結婚の約束をしたのです!」

「な、な、な、なにを…!!」

女の言い分に、ミカエルはわなわなと唇を震わせる。



「本当なのか?!ミカエル!」

「な、な、なにがかなしゅーて、こんなぶっさいくと結婚なんかするもんか!」

「ミカエル王子、よくもそんなひどいことを…!
あなた、あの時、言ったじゃないの!
結婚するからヤらしてくれって…!」

「あ、あの時は、俺はもう何もわからない程、べろんべろんに酔っ払ってて……
何を言ったか、何をやったかも覚えちゃいない!
そうでなけりゃ、おまえみたいなぶっさいくとそんなことするか!」

「ひ、ひどいわ!
私のおなかの中には、あなたの赤ちゃんがいるというのに……」



「え~~~~~っっ!!!」




「ほ、本当なのか?
ミカエルの子を宿しているというのは……」

「ええ、本当です!」

「間違いなく、ミカエルの子なのか?」

「もちろんです!
私はあの日まで39年間、大切に純潔を守り通してきたのです。
でも、ミカエル王子が結婚してくれるっていうから、許したんです!
お疑いなら、DNA鑑定でもなんでもして下さい!」

「まぁ、あなた、私と同い年なのね……」

王妃が微笑む。



「おふくろ!笑ってる場合じゃないぞ!
俺はまだ18なんだぜ!
なんでおふくろとおない年のこんなぶっさいくな女と……」

「ぶっさいくでもおばちゃんでも、出来てしまったものは仕方なかろう……」

「し、仕方ないって、おやじ、まさか……」



「ミカエル様…今のお話は…」

「あ、アンジェリーヌ様…今のことはですね……」

「見損ないましたわ!」

「あ……ま、待って下さい!」



アンジェリーヌはミカエルの言葉に振り向きもせず去って行く。
その後ろを、カパエルが追いかけた。

 
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