上 下
83 / 86
第12章…双子の王子様

しおりを挟む
結局、アンジェリーヌは一睡も出来ないままに夜が明けた。

朝早くから、アンジェリーヌの周りにはたくさんの人々がとりまき、髪を結い上げたり、念入りに化粧を施したり、煌びやかな宝石を身に付けていく。



「まぁ!アンジェリーヌ様!
なんてお美しい!」

メイド達が銘々に感嘆の声を上げている。



「アンジェリーヌ様、準備は……あ……」

様子を見に来たミカエルも、アンジェリーヌのあまりの美しさに息を飲んだ。



「な、なんとお美しい……!!」



(しかも、おっ●い、でかっっ!く~~、たまんねぇ!!)



ミカエルの瞳は、アンジェリーヌの巨乳に釘付けだ。



「アンジェリーヌ…!」

「カ、カパエル!……来てくれたの?!」

「うん…アンジェリーヌ…すごく綺麗だよ。
まるで、お花の国の女神様みたい。
アンジェリーヌ……あ、あの…」

「な、なにっ?カパエル、なにか言いたい事があるの?」

「あ…あの……」

「何?カパエル…何を言いたいの?」

アンジェリーヌは、期待をこめて、カパエルの言葉を待った。



「どうか…ミカエルと幸せになってね…!」

「………ありがとう……カパエル……」

アンジェリーヌの期待した言葉は、カパエルの口から発せられることはなかった。



「さぁ、そろそろ、参りましょうか!
カパエル、おまえも行くぞ!」



バルコニーの前にはすでに王と王妃の姿があった。



「まぁ、アンジェリーヌ…なんて綺麗なのかしら…」

「ミカエルが夢中になるのも当然だ。本当に美しい……
今から、国民の前でミカエルとアンジェリーヌの婚約を発表する。
その際、双子の弟・カパエルのことも公表する。
カパエル、おまえはなにもしゃべらずに、私が紹介したら皆に手を振るだけで良い。
わかったな。」

「うん、わかった。」

「では、そろそろ……」


まさに、みんながバルコニーに出ようとした時のことだった。



「お、お待ち下さい!!」

「うるせぇ!!」

ルーファスが誰かと言い争う声が響いた。



「なんだ、なんだ、騒々しいな!」

「ミカエル王子!」

「あっ!お、おまえは……!」

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

選ばれたのは美人の親友

杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。

妹の妊娠と未来への絆

アソビのココロ
恋愛
「私のお腹の中にはフレディ様の赤ちゃんがいるんです!」 オードリー・グリーンスパン侯爵令嬢は、美貌の貴公子として知られる侯爵令息フレディ・ヴァンデグリフトと婚約寸前だった。しかしオードリーの妹ビヴァリーがフレディと一夜をともにし、妊娠してしまう。よくできた令嬢と評価されているオードリーの下した裁定とは?

どうぞお好きに

音無砂月
ファンタジー
公爵家に生まれたスカーレット・ミレイユ。 王命で第二王子であるセルフと婚約することになったけれど彼が商家の娘であるシャーベットを囲っているのはとても有名な話だった。そのせいか、なかなか婚約話が進まず、あまり野心のない公爵家にまで縁談話が来てしまった。

婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。

束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。 だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。 そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。 全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。 気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。 そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。 すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

あなたの子ですが、内緒で育てます

椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」  突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。  夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。  私は強くなることを決意する。 「この子は私が育てます!」  お腹にいる子供は王の子。  王の子だけが不思議な力を持つ。  私は育った子供を連れて王宮へ戻る。  ――そして、私を追い出したことを後悔してください。 ※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ ※他サイト様でも掲載しております。 ※hotランキング1位&エールありがとうございます!

【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜

なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」  静寂をかき消す、衛兵の報告。  瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。  コリウス王国の国王––レオン・コリウス。  彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。 「構わん」……と。  周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。  これは……彼が望んだ結末であるからだ。  しかし彼は知らない。  この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。  王妃セレリナ。  彼女に消えて欲しかったのは……  いったい誰か?    ◇◇◇  序盤はシリアスです。  楽しんでいただけるとうれしいです。    

王女殿下の秘密の恋人である騎士と結婚することになりました

鳴哉
恋愛
王女殿下の侍女と 王女殿下の騎士  の話 短いので、サクッと読んでもらえると思います。 読みやすいように、3話に分けました。 毎日1回、予約投稿します。

処理中です...