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第12章…双子の王子様
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「ねぇ、まだぁ?」
「あ…あぁ、すまなかったな。
もうすんだぞ。」
ミカエルは、カパエルの目隠しを取って、手鏡をカパエルに手渡した。
「ほら、見てみな。」
「……えっっ…?!これってミカエルの顔じゃない!」
「違う!俺がミカエル。
鏡に映ってるのは、カパエル、おまえだよ。」
「ええーーーーっっ!こ、これが僕…?!
でも、さっきまでこの顔はミカエルの顔だったのに…どうして?」
「難しいことは考えなくて良い。
とにかく、人間に戻れたんだ。素直にそれを喜べ!」
「そういえば、お二人はなんとなく似てらっしゃいますな。
あのゴッドハンドは……」
「ルー爺!!!」
「あわわわ…なんでもありません。」
ルーファスは自分の失言に慌てて口をつぐむ。
「じゃ、とりあえず、親父とおふくろに報告に行こう。
カパエル、おまえも来るんだ。」
「うんっ!!」
「ええっっ!?」
カパエルが立ちあがった途端、ミカエルが素っ頓狂な声をあげた。
「なぁに?どうしたの?」
「ど、どうって…おまえ、なんでそんなデカイんだよ!
ルー爺!これはどういうことだ!?」
「ど、どうって…お二人は成長期ですから、知らないうちに伸びていたんでしょうな。
カパエルは、かっぱになっていたゆえ、その時はそれが反映されなかっただけでしょうな。」
「ああ、そうか…って、なんで、カパエルだけこんなに伸びてんだって聞いてるんだ!」
「そうですな。
カパエルは軽く180センチはありそうですなぁ…
う~む…そうじゃ!カッパの食生活が、良かったのかもしれませんぞ。」
「そ、そんな!」
「ミカエル様もカッパの食生活を試してみてはいかがですかな?」
「バカヤロー!きゅうりばっか食ってられるか!」
「僕、きゅうりばっかり食べてるんじゃないよ~」
「ミカエル様!人それぞれ、成長には遅い早いがございます。
ご心配せずともミカエル様もきっとそのうち大きくなられますよ!」
ルーファスは作り笑顔を浮かべながら、何度も頷く。
「そ…そうか…?
それにしても……おまえ、良い身体してるなぁ…」
緑色のローブから出たカパエルの腕や脚は、逞しい筋肉に包まれていた。
「え?そうなの?」
「カパエルは毎日力仕事をしておりますからなぁ…
それでいつの間にかこんな筋肉質になったんでしょうな。
かっぱの時にはあまりわかりませんでしたが、人間に戻るとよくわかるもんですな。」
「…………」
なんとなくカパエルに負けてるような気がして、どこか不愉快なミカエルだった…
「あ…あぁ、すまなかったな。
もうすんだぞ。」
ミカエルは、カパエルの目隠しを取って、手鏡をカパエルに手渡した。
「ほら、見てみな。」
「……えっっ…?!これってミカエルの顔じゃない!」
「違う!俺がミカエル。
鏡に映ってるのは、カパエル、おまえだよ。」
「ええーーーーっっ!こ、これが僕…?!
でも、さっきまでこの顔はミカエルの顔だったのに…どうして?」
「難しいことは考えなくて良い。
とにかく、人間に戻れたんだ。素直にそれを喜べ!」
「そういえば、お二人はなんとなく似てらっしゃいますな。
あのゴッドハンドは……」
「ルー爺!!!」
「あわわわ…なんでもありません。」
ルーファスは自分の失言に慌てて口をつぐむ。
「じゃ、とりあえず、親父とおふくろに報告に行こう。
カパエル、おまえも来るんだ。」
「うんっ!!」
「ええっっ!?」
カパエルが立ちあがった途端、ミカエルが素っ頓狂な声をあげた。
「なぁに?どうしたの?」
「ど、どうって…おまえ、なんでそんなデカイんだよ!
ルー爺!これはどういうことだ!?」
「ど、どうって…お二人は成長期ですから、知らないうちに伸びていたんでしょうな。
カパエルは、かっぱになっていたゆえ、その時はそれが反映されなかっただけでしょうな。」
「ああ、そうか…って、なんで、カパエルだけこんなに伸びてんだって聞いてるんだ!」
「そうですな。
カパエルは軽く180センチはありそうですなぁ…
う~む…そうじゃ!カッパの食生活が、良かったのかもしれませんぞ。」
「そ、そんな!」
「ミカエル様もカッパの食生活を試してみてはいかがですかな?」
「バカヤロー!きゅうりばっか食ってられるか!」
「僕、きゅうりばっかり食べてるんじゃないよ~」
「ミカエル様!人それぞれ、成長には遅い早いがございます。
ご心配せずともミカエル様もきっとそのうち大きくなられますよ!」
ルーファスは作り笑顔を浮かべながら、何度も頷く。
「そ…そうか…?
それにしても……おまえ、良い身体してるなぁ…」
緑色のローブから出たカパエルの腕や脚は、逞しい筋肉に包まれていた。
「え?そうなの?」
「カパエルは毎日力仕事をしておりますからなぁ…
それでいつの間にかこんな筋肉質になったんでしょうな。
かっぱの時にはあまりわかりませんでしたが、人間に戻るとよくわかるもんですな。」
「…………」
なんとなくカパエルに負けてるような気がして、どこか不愉快なミカエルだった…
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