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第11章…お見合い

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「……それだけですか?」

「え……?」

「男としての魅力は私にはないでしょうか?」

「そんなことはありませんわ。
その証拠に、あなたにはファンクラブまであって、たいそう人気者だということではありませんか。
お城にも毎日、ファンレターやプレゼントがあんなに山のように……」

「私が気になっているのはそんなことではないのです。
アンジェリーヌ様…あなたが、私のことをどんな風にお考えになっているのか…
それだけが気がかりなのです。」

「そ…それは……」

アンジェリーヌは困ったような顔で俯いた。




「私のことがお嫌いですか?」

「いえ…そんなことありません。」

「では……私と結婚していただけますか?」

「そ、そんな突然……」

「もしかして、他に好きな方がいらっしゃるのですか?」

「……いえ……」

アンジェリーヌは小さく首を振る。



「……では、私との結婚のことを前向きに考えていただけますね!?」

「………え、は…はい。」

「本当ですか!」

「今すぐというわけではありません。
まだ、時間はかかると思いますが……考えてみます。」

「ありがとう、アンジェリーヌ様!」



(ふっふっふっ…ついにやった…!
やっぱり、かっぱのことなんて関係なかったんだ。
当たり前だよな。
人間とかっぱが恋に落ちるなんてありえねぇ!
あと一押しだ!)







「アンジェリーヌ、どうしたの?
今日はなんだか元気ないね。」

「なんでもないわ。
心配かけてごめんなさいね……
さ、魔法の特訓を始めましょう!」



(ミカエル様は本気なのね…
確かに、ミカエル様は良い方だけど…
まだ、ここへ来て二週間ですもの。
急に気持ちを決めろって言われても、そんなの無理よね…
もうしばらくしたら…もっとミカエル様のことを知れば…好きになれるのかしら…?)



「……!アンジェリーヌ!!」

「あ!カパエル!
何?どうしたの?」

「今の見てくれてなかったの?
昨日より大きな炎が出せたんだよ!」

「あ…ごめんなさい…ぼんやりしてて。
もう一回やってくれる?」

「アンジェリーヌ…今日のアンジェリーヌはおかしいよ。
なにかあったの?」

「それは……」

「僕はかっぱだから、あんまりたいしたことは出来ないかもしれないけど、良かったら話してみて……」

「カパエル、ありがとう。
……実はね……」

アンジェリーヌは、ミカエルからプロポーズを受けたことをカパエルに話した。 
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