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第11章…お見合い

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ミカエルは鼻の穴にティッシュを詰めると、一目散に王と王妃の部屋に駆け込んだ。



「まぁ、どうしたの、ミカエル?」

「お、俺!やる!やる!」

「………は?」

「だから…!!…俺、見合いする!!」

王妃達は、ミカエルの異常な程の興奮ぶりに少し戸惑いながらも、見合いをする気になったことを喜んだ。



「まぁ、気に入った姫がみつかったのね!
どこの姫なの?」

「こ、こ、この娘!!」

「どれどれ…あ…これは…」

「何なんだ?なにか問題があるのか?」

「まぁ、ミカエルが気にいったのはフィンラのお姫様なの…?!」

「フィンラかなんか知らないけど、俺、決めた!
この姫と結婚する!」

「……困ったわね…」

「どういうことなんだ?何が困ったんだ?」

「実はね……」



王と王妃の話によると、このフィンラの国というのは少し変わった国だという事だった。
周りを海と山に囲まれた立地のため攻め込んで来る国もないが、自ら、他の国と特に仲良くしようという気持ちもないらしく、半ば孤立したような状況の国だというのだ。
国は資源も豊富で、特に石油や金脈のおかげでたいそう裕福らしい。



「フィンラだったら、うちみたいな国なんて相手にしてくれないんじゃないかしら…?」

「そうだな。
残念だが、我が国とは格が違いすぎる……
そうでなくとも、その姫は今まで誰とも見合いをしたことがないことでも有名なのだ。
男嫌いなのではないかという噂まであるくらいでな。
ミカエル、その姫は諦めて他の姫にしなさい。」

「いやだ!
俺はこの姫としたい!」

「ミカエル…そんな子供のようなことを……」

「頼むよ!一応、頼むだけでも頼んでおくれよ!
俺の写真を付けて送ったら必ず会ってもらえるはずだから!
会ってさえもらえれば、後は俺のルックスとテクニックでなんとかするから…!」

「う~む…」

「じゃ、俺、今から写真撮って来る!」

「あ、ミカエル…!!」



王の声もやる気満々のミカエルにはまるで届かない。
ミカエルはフィンラの姫・アンジェリーナに送る最高の写真を撮りに走って行った。 
 
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