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第2章…出会い

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町を出たのは良いが、これからどこに行けば良いのやら…
ルディは街道の真ん中でふと立ち止まる。



(はっ…!?)

ルディは、今頃になってやっと気付いた。

村の外に出るのは今日が初めてだということに……



(……そういえば、僕はお金も持ってなくて、旅人には欠かせない地図も持ってなくて……
あぁ…こんなことでこの先どうにかなるのかな…?!)

しかし、考えていても何も解決はしない。
ルディは街道を離れ、ふと目に付いた川に沿って歩いていくことにした。
脇道に逸れたのは、きらきらと太陽の光に反射する水の流れに惹かれただけのことだった。



今、自分がどこに向かってるのかさえもわからず心細い想いはあったが、でも、歩くしかない。
歩いていればきっとどこかの町にたどりつく筈だと考えながら、ルディはひたすらに歩き続けた。
街道を離れたせいか、人通りはどんどん少なくなっていく。



ぐぅ~~…ぎゅるるるる~…



(はっ…!?)

ルディは今頃になって気付いた。

今日は朝から何も食べていなかったことに……



(あ…そうだ…
母さんがもたせてくれたきゅうりがあったんだ!)

ルディは川のほとりに腰掛け、袋からきゅうりを取り出した。



「母さん…師匠…弟、妹達……」

きゅうりをみつめるルディの脳裏には皆の顔が浮かび上がり、涙できゅうりがにじんで映った……



「あ…っっ」

感傷に浸るルディの手からきゅうりが離れ、ぽちゃんと軽い音を立てて川に落ちる。



「し、しまった!
大切なきゅうりが…!!」

その時だった!
川の中から、緑色の手のようなものが現れたかと思うと、きゅうりを掴み川の中へ沈んでしまったのだ。



(い、今のは一体…?
あ、僕のきゅうりはどうなったんだ?!)

きゅうりの沈んだあたりをみつめていると、ザバーッという大きな水音と共に緑色のものが姿を現した。



「か、か、か、か、かっぱ!!」

かっぱはゆっくりとルディの方に向かって泳いで来る。



「あ、あ、あ……」

ルディはあまりの恐怖と驚きに腰を抜かし、歩けない。
ついでになぜだかあごまでがはずれていた。



「おい、おまえ!
きゅうりはもうないのか?」

「あ、あふぉにふぉんあう(あと2本ある)」

「よこせ!」

かっぱはルディの袋の中からきゅうりを取りだし、むしゃむしゃとうまそうに食べ始めた。



「あ~、ほふのひゅうひふぁ~…(あ~、僕のきゅうりがぁ~…)」

きゅうりを食べ終わると、かっぱはルディをきっと睨みつけ、「ちょっと向こうを向いてろ!」と厳しい口調で命令した。 

 
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