恋のキューピッドは怪獣でした！

先輩の家政婦さんはトラブルメイカー！？

２５

「早く起きなさい！」

 「え……？」



 次の日の朝、私は誰かの大声で目覚めた。



まだはっきりしない頭をめぐらせる。
その声の主は手島さんだ。
 手島さんが、私の部屋のふすまを勝手に開けて立っている。



 「朝食の支度に取り掛かるわよ。」

 「え？」

あれ？アラーム鳴ったっけ？
 寝過ごすことなんて、今まで一度もなかったんだけど…
私は、枕元に置いたスマホを確認する。



 （げ……）



スマホの時計には、５：００という表示が…



「あの、手島さん…まだ５時なんですけど…」

いつもは、６：３０に起きる。
それでも、私にしたらかなりの早起きのつもりだったんだけど、５：００って、どういうこと！？



 「何、言ってるの？
 今からやらないと間に合わないでしょ？
さ、早く早く！」

 手島さんが部屋にずかずかと入って来て、無理やりに布団をはぎ取る。
 登校前の中学生じゃないんだし、それっていくらなんでもやりすぎなんじゃない？
 親子でもないんだし。



 言いたいことはいっぱいあるけど、言ったら絶対険悪なムードになるから。
 仕方ない。ここは私が折れるしかない。
 私はゆっくりと起き上がった。



 （……さむ。）