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出会いは最悪のシチュエーション
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つまらないことをあれこれ考えていないで早く帰ろう!
風邪でも引いたら、面倒だ。
人間、健康が一番!
妙に強い決意を胸に歩き出したところ、擦れ違い様、人にぶつかり、そして軽い音がして…
(……え?)
「うわ……」
落ちた紙袋を前にして、茫然と立ち尽くしていたのは若い男性だった。
何か、悪いことが起きた…
私は、本能的にそう感じていた。
目の前の状況から考えるに、私がぶつかった拍子にこの人は持っていたものを落とした。
そして、さっきの音は、多分、その物が壊れた音だ。
「あ、あの…す、すみません。」
男性はその言葉には何も答えず、私を疎まし気な目で一瞥し、落ちた紙袋に手を伸ばした。
そして、耳の傍でその袋を振る。
かしゃかしゃという音が私にも聞こえた。
それが意味すること…つまり、私の思っていた通り、中身が割れたということだ。
そして、割れたのは半分私のせいでもある。
「あ…えっと…ご、ごめんなさい!」
私は素直に頭を下げた。
でも、男性は何も言わない。
「え…えっと、弁償します。」
何が割れたのかはわからないけど、音の感じからして多分、コップっぽいものだと思う。
まさか、いくらなんでもそんな高価なものではないと思う。
私の前にいるのは、まだ若い、カジュアルな服装をした男性だもの。
風邪でも引いたら、面倒だ。
人間、健康が一番!
妙に強い決意を胸に歩き出したところ、擦れ違い様、人にぶつかり、そして軽い音がして…
(……え?)
「うわ……」
落ちた紙袋を前にして、茫然と立ち尽くしていたのは若い男性だった。
何か、悪いことが起きた…
私は、本能的にそう感じていた。
目の前の状況から考えるに、私がぶつかった拍子にこの人は持っていたものを落とした。
そして、さっきの音は、多分、その物が壊れた音だ。
「あ、あの…す、すみません。」
男性はその言葉には何も答えず、私を疎まし気な目で一瞥し、落ちた紙袋に手を伸ばした。
そして、耳の傍でその袋を振る。
かしゃかしゃという音が私にも聞こえた。
それが意味すること…つまり、私の思っていた通り、中身が割れたということだ。
そして、割れたのは半分私のせいでもある。
「あ…えっと…ご、ごめんなさい!」
私は素直に頭を下げた。
でも、男性は何も言わない。
「え…えっと、弁償します。」
何が割れたのかはわからないけど、音の感じからして多分、コップっぽいものだと思う。
まさか、いくらなんでもそんな高価なものではないと思う。
私の前にいるのは、まだ若い、カジュアルな服装をした男性だもの。
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