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 「……サリーはどうした?
いつもなら真っ先に来るものを。」

 夕食の席にサリーはいなかった。
 他愛ない話をしながら私達は待っていたが、サリーはなかなか姿を現さない。



 「私、みてきますわ。」

 「いや、もう来るでしょう。」

 立ち上がろうとしたジネットを私が止めたその時、静かに扉が開き、おずおずとサリーが顔を出した。



 「まぁ、サリーさん!」

いつもと違い、俯き加減のサリーは、私が贈ったあのピンクのコスモス柄のドレスに身を包んでいた。

 黙ったまま何も言わない私とヴェールにしびれを切らしたのか、サリーが突然声を荒げる。



 「ほら、やっぱり似合わないだろ!」

その言葉にハッと我に返った私とヴェールは慌てて言葉を返す。



 「い、いや、似合うぞ。
なぁ、ヴェール……?」

 「え、ええ……と、とても素敵ですよ。」

しかし、顔を見合わせた途端、私達は思わず吹き出してしまった。



 「なんだよ!そんなに笑うことないだろう~!!」

 「そうですよ!
お二人共、失礼ですよ!」

ジネットの叱責にも私達の笑いは止まらない。
 止めたくても止まらないのだ。
そのうち、笑いの発作はサリーにも伝染し、ついには真面目な顔をしていたジネットまでもがくすくすと笑い始めた。

 
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