390 / 449
another story
23
しおりを挟む
それからしばらくして夜が開け、四人は夜が明けると共に旅立った。
ユスカはマイユが生きていたことを知らせるため、西の森へ……ヴェール、サリー、ネリーの三人はレヴの待つ星の町へと……
「ここから星の町まではさほど遠くはありませんが、レヴさんのことが心配です。
一刻も早く星の町に着きたいのです。
少し強行軍になっても構いませんか?」
「大丈夫です。
私は旅慣れてはいませんが、身体だけは丈夫なのですよ。
心配せずに進んで下さい。」
「ありがとう、ネリー…!よろしく頼むよ!」
三人は星の町を目指し、ほとんど休みもせずに暗くなるまで歩き続けた。
この分なら思ったより早く星の町へ着けるかもしれないと、サリーとヴェールは期待に胸を膨らませた。
その晩のことだった…
夜の静寂にネリーの叫び声が響き渡った。
「ネリーさん!」
「どうしたんだい!?」
ヴェールとサリーが駆けつけると、そこには激しい息遣いをするネリーが倒れていた。
「ネリー!大丈夫かい!」
「ネリーさん!しっかり!」
ネリーは何度も頷きながら、肩を大きく動かして息を整える。
二人が見守る中、しばらくしてやっとどうにか話せるまでにネリーは回復した。
「ごめんなさいね…もう大丈夫ですから。」
「体調になにかあったのですか?
今日、無理に歩き過ぎたせいでしょうか?」
「いえ……そうではないのです。
実は、私のキャストライトと心を通じさせていたのですが……
やっと石の思いを感じることが出来、私が生まれる前のことから記憶を失うまでのこと、そしてその後のことまでが一気に流れ込んできて……
まだ、うまく力をコントロール出来ないためです。
驚かせてしまって本当にごめんなさい…」
「で、では…すべてを思い出されたのですか…!!」
「……えぇ…」
ネリーは、真っ直ぐにヴェールの顔をみつめながら頷いた。
ユスカはマイユが生きていたことを知らせるため、西の森へ……ヴェール、サリー、ネリーの三人はレヴの待つ星の町へと……
「ここから星の町まではさほど遠くはありませんが、レヴさんのことが心配です。
一刻も早く星の町に着きたいのです。
少し強行軍になっても構いませんか?」
「大丈夫です。
私は旅慣れてはいませんが、身体だけは丈夫なのですよ。
心配せずに進んで下さい。」
「ありがとう、ネリー…!よろしく頼むよ!」
三人は星の町を目指し、ほとんど休みもせずに暗くなるまで歩き続けた。
この分なら思ったより早く星の町へ着けるかもしれないと、サリーとヴェールは期待に胸を膨らませた。
その晩のことだった…
夜の静寂にネリーの叫び声が響き渡った。
「ネリーさん!」
「どうしたんだい!?」
ヴェールとサリーが駆けつけると、そこには激しい息遣いをするネリーが倒れていた。
「ネリー!大丈夫かい!」
「ネリーさん!しっかり!」
ネリーは何度も頷きながら、肩を大きく動かして息を整える。
二人が見守る中、しばらくしてやっとどうにか話せるまでにネリーは回復した。
「ごめんなさいね…もう大丈夫ですから。」
「体調になにかあったのですか?
今日、無理に歩き過ぎたせいでしょうか?」
「いえ……そうではないのです。
実は、私のキャストライトと心を通じさせていたのですが……
やっと石の思いを感じることが出来、私が生まれる前のことから記憶を失うまでのこと、そしてその後のことまでが一気に流れ込んできて……
まだ、うまく力をコントロール出来ないためです。
驚かせてしまって本当にごめんなさい…」
「で、では…すべてを思い出されたのですか…!!」
「……えぇ…」
ネリーは、真っ直ぐにヴェールの顔をみつめながら頷いた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
恋情を乞う
乙人
ファンタジー
母とその再婚相手に幽閉され、不幸な青春時代を送り、故人となった榮氏。
怨念により、人の魂を喰らう化け物と化した彼女は-
-血染めの舞姫が言った-
仮初の家族は皆、堕獄した。それを免れた己は、灼熱の舞台で舞い続けるのだ、と。
-喪服の令嬢が言った-
微かな“生きていた”余韻を感じ貪り、記憶の中の声を欲し、そうやって生きてきたつもりだ、と。
-異国の衣裳を召した皇女が言った-
夢を見るには、歳をとりすぎた。それでも、望んでも構わないなら、一時の、仮初の夢を乞う、と。
家族に疎まれ、身内殺しの罪を背負い、殺された、榮莉鸞。
最初で最後の想い人を父に殺され、心を喪った、圓寳闐。
存在を認められず、臣下に課された屈辱と破滅を数える秘め事を背負い続け、八歳年下の弟を愛してしまった女東宮、永寧大長公主。
心優しく、美しい主上、旲瑓。
三人の憐れな姫君と、一人の青年の、天上の国の後宮の物語。
【書籍化進行中】魔法のトランクと異世界暮らし
猫野美羽
ファンタジー
※書籍化進行中です。
曾祖母の遺産を相続した海堂凛々(かいどうりり)は原因不明の虚弱体質に苦しめられていることもあり、しばらくは遺産として譲り受けた別荘で療養することに。
おとぎ話に出てくる魔女の家のような可愛らしい洋館で、凛々は曾祖母からの秘密の遺産を受け取った。
それは異世界への扉の鍵と魔法のトランク。
異世界の住人だった曾祖母の血を濃く引いた彼女だけが、魔法の道具の相続人だった。
異世界、たまに日本暮らしの楽しい二拠点生活が始まる──
◆◆◆
ほのぼのスローライフなお話です。
のんびりと生活拠点を整えたり、美味しいご飯を食べたり、お金を稼いでみたり、異世界旅を楽しむ物語。
※カクヨムでも掲載予定です。
転移先は薬師が少ない世界でした
饕餮
ファンタジー
★この作品は書籍化及びコミカライズしています。
神様のせいでこの世界に落ちてきてしまった私は、いろいろと話し合ったりしてこの世界に馴染むような格好と知識を授かり、危ないからと神様が目的地の手前まで送ってくれた。
職業は【薬師】。私がハーブなどの知識が多少あったことと、その世界と地球の名前が一緒だったこと、もともと数が少ないことから、職業は【薬師】にしてくれたらしい。
神様にもらったものを握り締め、ドキドキしながらも国境を無事に越え、街でひと悶着あったから買い物だけしてその街を出た。
街道を歩いている途中で、魔神族が治める国の王都に帰るという魔神族の騎士と出会い、それが縁で、王都に住むようになる。
薬を作ったり、ダンジョンに潜ったり、トラブルに巻き込まれたり、冒険者と仲良くなったりしながら、秘密があってそれを話せないヒロインと、ヒロインに一目惚れした騎士の恋愛話がたまーに入る、転移(転生)したヒロインのお話。
ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~
にくなまず
ファンタジー
今年から冒険者生活を開始した主人公で【ソロ】と言う適正のノア(15才)。
その適正の為、戦闘・日々の行動を基本的に1人で行わなければなりません。
そこで元上級冒険者の両親と猛特訓を行い、チート級の戦闘力と数々のスキルを持つ事になります。
『悠々自適にぶらり旅』
を目指す″つもり″の彼でしたが、開始早々から波乱に満ちた冒険者生活が待っていました。
プライベート・スペクタル
点一
ファンタジー
【星】(スターズ)。それは山河を変えるほどの膂力、千里を駆ける脚力、そして異形の術や能力を有する超人・怪人達。
この物語はそんな連中のひどく…ひどく個人的な物語群。
その中の一部、『龍王』と呼ばれた一人の男に焦点を当てたお話。
(※基本 隔週土曜日に更新予定)
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
宝石少年の旅記録(25日更新)
小枝 唯
ファンタジー
ビジュエラという、とても美しい世界があった。澄んだ水は太陽の光が無くとも星の様に煌き、それを栄養とした自然もまた美しい。
人間は魅了されたあまり、やがてそれを加工して装飾などに使い始める。それを人は『宝石』と呼んだ。
そんな世界に1人、宝石となる奴隷が居た。幼い奴隷は1つの『死』を経験し、運命の旅人となる。
これは地図の無い白紙の世界に色を付けた、旅人の記録。盲目な彼が記す、様々な国とそこに住む人々の話。
~ ** ~ ** ~
毎週月曜20:00更新!
異世界でゆるゆる生活を満喫す
葉月ゆな
ファンタジー
辺境伯家の三男坊。数か月前の高熱で前世は日本人だったこと、社会人でブラック企業に勤めていたことを思い出す。どうして亡くなったのかは記憶にない。ただもう前世のように働いて働いて夢も希望もなかった日々は送らない。
もふもふと魔法の世界で楽しく生きる、この生活を絶対死守するのだと誓っている。
家族に助けられ、面倒ごとは優秀な他人に任せる主人公。でも頼られるといやとはいえない。
ざまぁや成り上がりはなく、思いつくままに好きに行動する日常生活ゆるゆるファンタジーライフのご都合主義です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる