387 / 449
another story
20
しおりを挟む
「そうなんだ!
レヴは今、とても危険な状態にあって…
多分、それを助けられるのはあんたしかいないんだよ!
ネリー!どうか、レヴを助けてほしい…!
お願いだよ!」
「待って下さい。
私に何が出来るというのですか?」
「実は……」
三人は、レヴが魔石の影響でとても危険な状況にあること、そしてマイユは特別な力を持っていたことを説明した。
「私にそんな特別な力が…?
私も出来ることならレヴさんを救いたいですが、記憶を忘れてしまった私に、レヴさんを助けることが出来るのでしょうか!?」
「出来るさ!
だって…あんた以外、もう頼れる人はいないんだから…
あんたに見放されたらもうおしまいなんだから…」
「サリーさん…ですが、私は……」
ネリーは困惑していた。
先程から驚きの連続だった。
次から次に信じられないようなことを聞かされ、その上、レヴの命を救ってほしい等と大変なことを頼まれてしまい、どうしたら良いのかわからない程に混乱していた。
(私にそんなことが本当に出来るのかしら…?)
その夜、ネリーは一人で自分の護り石であるキャストライトに対話を試みた。
しかし、何度やってみても何も伝わってはこない…
(やっぱり駄目だわ…何度やってみても何もわからない…
きっと、記憶と共に私の特別な力もなくなってしまったんだわ…
こんなことを言ったら、皆、失望されるでしょうね…
私はどうすれば良いのかしら…?)
「ネリー、まだ起きてたの?」
「サリーさん…こんな時間にどうされたのですか?
眠れないのですか?」
「あぁ…全然眠れなくて…
レヴのことが急に心配でたまらなくなってきてさ。
今も星の石にお願いしてたんだ。」
「星の石…?」
「これなんだけど……願いが叶うっていう石なんだ…」
サリーがテーブルに置いたその石を見るなり、ネリーは不思議な感覚に襲われた。
星の石をそっと手に取る…
その瞬間、ネリーの心の中に星の石にかけられた溢れる想いが激流のように注ぎこんで来るのを感じた。
レヴを助けたい!という愛に包まれた激しく強い感情の波が、止めようとしても止まらない勢いでネリーの心に注ぎこんで来る。
レヴは今、とても危険な状態にあって…
多分、それを助けられるのはあんたしかいないんだよ!
ネリー!どうか、レヴを助けてほしい…!
お願いだよ!」
「待って下さい。
私に何が出来るというのですか?」
「実は……」
三人は、レヴが魔石の影響でとても危険な状況にあること、そしてマイユは特別な力を持っていたことを説明した。
「私にそんな特別な力が…?
私も出来ることならレヴさんを救いたいですが、記憶を忘れてしまった私に、レヴさんを助けることが出来るのでしょうか!?」
「出来るさ!
だって…あんた以外、もう頼れる人はいないんだから…
あんたに見放されたらもうおしまいなんだから…」
「サリーさん…ですが、私は……」
ネリーは困惑していた。
先程から驚きの連続だった。
次から次に信じられないようなことを聞かされ、その上、レヴの命を救ってほしい等と大変なことを頼まれてしまい、どうしたら良いのかわからない程に混乱していた。
(私にそんなことが本当に出来るのかしら…?)
その夜、ネリーは一人で自分の護り石であるキャストライトに対話を試みた。
しかし、何度やってみても何も伝わってはこない…
(やっぱり駄目だわ…何度やってみても何もわからない…
きっと、記憶と共に私の特別な力もなくなってしまったんだわ…
こんなことを言ったら、皆、失望されるでしょうね…
私はどうすれば良いのかしら…?)
「ネリー、まだ起きてたの?」
「サリーさん…こんな時間にどうされたのですか?
眠れないのですか?」
「あぁ…全然眠れなくて…
レヴのことが急に心配でたまらなくなってきてさ。
今も星の石にお願いしてたんだ。」
「星の石…?」
「これなんだけど……願いが叶うっていう石なんだ…」
サリーがテーブルに置いたその石を見るなり、ネリーは不思議な感覚に襲われた。
星の石をそっと手に取る…
その瞬間、ネリーの心の中に星の石にかけられた溢れる想いが激流のように注ぎこんで来るのを感じた。
レヴを助けたい!という愛に包まれた激しく強い感情の波が、止めようとしても止まらない勢いでネリーの心に注ぎこんで来る。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

婚約破棄を告げた瞬間に主神を祀る大聖堂が倒壊しました〜神様はお怒りのようです〜
和歌
ファンタジー
「アリシア・フィルハーリス、君の犯した罪はあまりに醜い。今日この場をもって私レオン・ウル・ゴルドとアリシア・フィルハーリスの婚約破棄を宣言する──」
王宮の夜会で王太子が声高に告げた直後に、凄まじい地響きと揺れが広間を襲った。
※恋愛要素が薄すぎる気がするので、恋愛→ファンタジーにカテゴリを変更しました(11/27)
※感想コメントありがとうございます。ネタバレせずに返信するのが難しい為、返信しておりませんが、色々予想しながら読んでいただけるのを励みにしております。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
クロワッサン物語
コダーマ
歴史・時代
1683年、城塞都市ウィーンはオスマン帝国の大軍に包囲されていた。
第二次ウィーン包囲である。
戦況厳しいウィーンからは皇帝も逃げ出し、市壁の中には守備隊の兵士と市民軍、避難できなかった市民ら一万人弱が立て籠もった。
彼らをまとめ、指揮するウィーン防衛司令官、その名をシュターレンベルクという。
敵の数は三十万。
戦況は絶望的に想えるものの、シュターレンベルクには策があった。
ドナウ河の水運に恵まれたウィーンは、ドナウ艦隊を蔵している。
内陸に位置するオーストリア唯一の海軍だ。
彼らをウィーンの切り札とするのだ。
戦闘には参加させず、外界との唯一の道として、連絡も補給も彼等に依る。
そのうち、ウィーンには厳しい冬が訪れる。
オスマン帝国軍は野営には耐えられまい。
そんなシュターレンベルクの元に届いた報は『ドナウ艦隊の全滅』であった。
もはや、市壁の中にこもって救援を待つしかないウィーンだが、敵軍のシャーヒー砲は、連日、市に降り注いだ。
戦闘、策略、裏切り、絶望──。
シュターレンベルクはウィーンを守り抜けるのか。
第二次ウィーン包囲の二か月間を描いた歴史小説です。

寡黙な男はモテるのだ!……多分
しょうわな人
ファンタジー
俺の名前は磯貝澄也(いそがいとうや)。年齢は四十五歳で、ある会社で課長職についていた。
俺は子供の頃から人と喋るのが苦手で、大人になってからもそれは変わることが無かった。
そんな俺が何故か課長という役職についているのは、部下になってくれた若者たちがとても優秀だったからだと今でも思っている。
俺の手振り、目線で俺が何をどうすれば良いかと察してくれる優秀な部下たち。俺が居なくなってもきっと会社に多大な貢献をしてくれている事だろう。
そして今の俺は目の前に神と自称する存在と対話している。と言ってももっぱら喋っているのは自称神の方なのだが……
婚約者に逃げられて精霊使いになりました〜私は壁でありたいのに推しカプが私を挟もうとします。〜
一花カナウ
ファンタジー
結婚式まで残りひと月を控えた《私》は買い物のために街へ。
そこで露天商に絡まれ、家に忘れてきた【守り石】の代わりにと紫黄水晶のペンダントを託される。奇妙な出来事だったと思うのも束の間、本来なら街に出ないはずの魔物に遭遇。生命の危機を前に《私》は精霊使いとして覚醒し、紫黄水晶からアメシストとシトリンというふたりの鉱物人形を喚び出すのだった。
これは《強靭な魔力を持つために生贄となる運命を背負った聖女》と彼女を支えるために生み出された美しい兵器《鉱物人形》の物語。
※カクヨムでも掲載中。以降、ノベルアップ+、ムーンライトノベルズでも公開予定。
※表紙は仮です(お絵描きの気力が尽きました)
右から、アメシスト、ジュエル、シトリンです。
※イチャイチャは後半で

最強超人は異世界にてスマホを使う
萩場ぬし
ファンタジー
主人公、柏木 和(かしわぎ かず)は「武人」と呼ばれる武術を極めんとする者であり、ある日祖父から自分が世界で最強であることを知らされたのだった。
そして次の瞬間、自宅のコタツにいたはずの和は見知らぬ土地で寝転がっていた――
「……いや草」
【書籍化決定】国を追われた巫女見習いは、隣国の後宮で二重に花開く
gari@七柚カリン
キャラ文芸
☆4月上旬に書籍発売です。たくさんの応援をありがとうございました!☆ 植物を慈しむ巫女見習いの凛月には、二つの秘密がある。それは、『植物の心がわかること』『見目が変化すること』。
そんな凛月は、次期巫女を侮辱した罪を着せられ国外追放されてしまう。
心機一転、紹介状を手に向かったのは隣国の都。そこで偶然知り合ったのは、高官の峰風だった。
峰風の取次ぎで紹介先の人物との対面を果たすが、提案されたのは後宮内での二つの仕事。ある時は引きこもり後宮妃(欣怡)として巫女の務めを果たし、またある時は、少年宦官(子墨)として庭園管理の仕事をする、忙しくも楽しい二重生活が始まった。
仕事中に秘密の能力を活かし活躍したことで、子墨は女嫌いの峰風の助手に抜擢される。女であること・巫女であることを隠しつつ助手の仕事に邁進するが、これがきっかけとなり、宮廷内の様々な騒動に巻き込まれていく。
※ 一話の文字数を1,000~2,000文字程度で区切っているため、話数は多くなっています。
一部、話の繋がりの関係で3,000文字前後の物もあります。

美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる