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 (……魔石の悪い影響が現れ始めている……)

サリーは焦りを感じていた。



 (早く、なんとかしないと…!
このままじゃ、大変なことになってしまう。
……でも、一体、どうすれば!?)



その夜、サリーはヴェールを外へ呼び出した。

 「サリーさん、レヴさんのことで何か?」

 「実はそうなんだ。
ほら…東の村を経つ前の晩、あんたとレヴが外で話してただろ?」

 「ええ……そのことがどうかしたんですか?
あの時に何か?」

サリーは俯いたまま、ぐっと拳を握り締めた。



 「サリーさん……?」

 「……なかったんだよ……レヴの影がなかったんだ…!」

 「…影が……?
サリーさん…そ、それはまさか…!?」

 「そんなこと、私が絶対許さないよ!
レヴは私が絶対に助けてみせる…!
でも、そのために私は一体どうすれば良いんだろう…!?
ねぇ、ヴェール、なにか良い案はないかい?
あたし…どんなことでもするから!」

サリーは、ヴェールの両腕を掴み、感情的な声で訴える。



 「……そうですね。何かをしなければいけませんよね。
ここでじっと待っているだけでは何も変わりはしないのですから……」

 「だけど、どこへ行って何をすれば良い?
どうすれば、レヴを助けられるんだろう…?
ヴェール…教えておくれよ!」

 「それは……
残念ながら…私にもまるでわかりません。
しかし、必ず方法はあるはずです…!
 私だって、あの暗き森から離れ、ここまで来ることが出来たのですから…
そして何の手がかりもないと思われた森の民のことが、いろいろとわかったのですから…
考えてみましょう!
そして、なんとしてもレヴさんを助けましょう!」

 「ありがとう、ヴェール…
あんたには迷惑な話かもしれないけど、今、頼りに出来るのはあんただけだよ。」

サリーは、ヴェールの手を握り締め、潤んだ瞳でじっとみつめた。 
 
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