352 / 449
14、銀星石(前に進む力)ワーベライト
28
しおりを挟む
サリーは、自分の部屋にひきこもり、星の石に祈りを捧げた。
(……お願いだ…
私の願いをきいておくれよ。
レヴのことを助けてほしい…!
なんでレヴがそんな役目をしなくちゃいけないのさ。
あんな世間知らずのおぼっちゃまにそんな大変な役目なんて出来やしない。
…そうだ!私がレヴの代わりにその役目を引き受けるよ!
だから、お願いだ…!
どうかレヴの命を助けておくれ…!)
サリーは心をこめて目を閉じ一心に祈った。
時間を忘れ、ずっとずっと祈りを捧げ続けた。
カシャーン……
突然響いた乾いた音にサリーははっと目を開けた。
サリーの目の前には、粉々に砕け散った星の石の欠片が広がっていた。
「………星の石が…!」
(これは……石が祈りを聞き入れてくれたということ…?)
サリーはレヴの眠る部屋に急いだ。
「サリーさん…」
「レヴの様子はどうだい?」
ジネットは悲しそうに頭を降った。
「相変わらずですわ。
熱が一向に下がらないのです。」
「そうかい……」
何も変わってはいなかった…
もしかしたら、さっきの出来事は、祈りが通じてレヴの容態が良くなったということなのではないかと淡い期待を抱いていたサリーはがっくりとうなだれた。
「私、氷をもらってきますわ。」
いくら冷やしても、レヴの熱ですぐにタオルは生温かくなってしまう。
レヴは大量の汗を流し、苦しそうな息をしていた。
(……可哀想なレヴ…あんな石のせいで…)
サリーは毛布の中からレヴの手を引き出し、憎らしげにアマゾナイトの指輪をみつめた。
(……畜生!!この石のせいで…)
(……お願いだ…
私の願いをきいておくれよ。
レヴのことを助けてほしい…!
なんでレヴがそんな役目をしなくちゃいけないのさ。
あんな世間知らずのおぼっちゃまにそんな大変な役目なんて出来やしない。
…そうだ!私がレヴの代わりにその役目を引き受けるよ!
だから、お願いだ…!
どうかレヴの命を助けておくれ…!)
サリーは心をこめて目を閉じ一心に祈った。
時間を忘れ、ずっとずっと祈りを捧げ続けた。
カシャーン……
突然響いた乾いた音にサリーははっと目を開けた。
サリーの目の前には、粉々に砕け散った星の石の欠片が広がっていた。
「………星の石が…!」
(これは……石が祈りを聞き入れてくれたということ…?)
サリーはレヴの眠る部屋に急いだ。
「サリーさん…」
「レヴの様子はどうだい?」
ジネットは悲しそうに頭を降った。
「相変わらずですわ。
熱が一向に下がらないのです。」
「そうかい……」
何も変わってはいなかった…
もしかしたら、さっきの出来事は、祈りが通じてレヴの容態が良くなったということなのではないかと淡い期待を抱いていたサリーはがっくりとうなだれた。
「私、氷をもらってきますわ。」
いくら冷やしても、レヴの熱ですぐにタオルは生温かくなってしまう。
レヴは大量の汗を流し、苦しそうな息をしていた。
(……可哀想なレヴ…あんな石のせいで…)
サリーは毛布の中からレヴの手を引き出し、憎らしげにアマゾナイトの指輪をみつめた。
(……畜生!!この石のせいで…)
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
【完結】ミックス・ブラッド ~異種族間混血児は魔力が多すぎる~
久悟
ファンタジー
人族が生まれる遙か昔、この大陸ではある四つの種族が戦を繰り返していた。
各種族を統べる四人の王。
『鬼王』『仙王』『魔王』『龍王』
『始祖四王』と呼ばれた彼らが互いに睨み合い、この世の均衡が保たれていた。
ユーゴ・グランディールはこの始祖四王の物語が大好きだった。毎晩母親に読み聞かせてもらい、想いを膨らませた。
ユーゴは五歳で母親を亡くし、父親は失踪。
父親の置き手紙で、自分は『ミックス・ブラッド』である事を知る。
異種族間に産まれた子供、ミックス・ブラッド。
ある者は種族に壊滅的な被害をもたらし、ある者は兵器として生み出された存在。
自分がそんな希少な存在であると告げられたユーゴは、父親から受け継いだ刀を手に、置き手紙に書かれた島を目指し二人の仲間と旅に出る。
その島で剣技や術を師匠に学び、様々な技を吸収しどんどん強くなる三人。
仲間たちの悲しい過去や、告白。語られない世界の歴史と、種族間の争い。
各種族の血が複雑に混じり合い、世界を巻き込む争いへと発展する。
お伽噺だと思っていた『始祖四王』の物語が動き出す。
剣技、魔法、術の数々。異世界が舞台の冒険ファンタジー。
野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。
辻ヒーラー、謎のもふもふを拾う。社畜俺、ダンジョンから出てきたソレに懐かれたので配信をはじめます。
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
ブラック企業で働く社畜の辻風ハヤテは、ある日超人気ダンジョン配信者のひかるんがイレギュラーモンスターに襲われているところに遭遇する。
ひかるんに辻ヒールをして助けたハヤテは、偶然にもひかるんの配信に顔が映り込んでしまう。
ひかるんを助けた英雄であるハヤテは、辻ヒールのおじさんとして有名になってしまう。
ダンジョンから帰宅したハヤテは、後ろから謎のもふもふがついてきていることに気づく。
なんと、謎のもふもふの正体はダンジョンから出てきたモンスターだった。
もふもふは怪我をしていて、ハヤテに助けを求めてきた。
もふもふの怪我を治すと、懐いてきたので飼うことに。
モンスターをペットにしている動画を配信するハヤテ。
なんとペット動画に自分の顔が映り込んでしまう。
顔バレしたことで、世間に辻ヒールのおじさんだとバレてしまい……。
辻ヒールのおじさんがペット動画を出しているということで、またたくまに動画はバズっていくのだった。
他のサイトにも掲載
なろう日間1位
カクヨムブクマ7000
宝石少年の旅記録(25日更新)
小枝 唯
ファンタジー
ビジュエラという、とても美しい世界があった。澄んだ水は太陽の光が無くとも星の様に煌き、それを栄養とした自然もまた美しい。
人間は魅了されたあまり、やがてそれを加工して装飾などに使い始める。それを人は『宝石』と呼んだ。
そんな世界に1人、宝石となる奴隷が居た。幼い奴隷は1つの『死』を経験し、運命の旅人となる。
これは地図の無い白紙の世界に色を付けた、旅人の記録。盲目な彼が記す、様々な国とそこに住む人々の話。
~ ** ~ ** ~
毎週月曜20:00更新!
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
運極さんが通る
スウ
ファンタジー
『VRMMO』の技術が詰まったゲームの1次作、『Potential of the story』が発売されて約1年と2ヶ月がたった。
そして、今日、新作『Live Online』が発売された。
主人公は『Live Online』の世界で掲示板を騒がせながら、運に極振りをして、仲間と共に未知なる領域を探索していく。……そして彼女は後に、「災運」と呼ばれる。
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる