上 下
346 / 449
14、銀星石(前に進む力)ワーベライト

22

しおりを挟む
「レヴさん、次の目的地なのですが……」

 「もう決めたのか?」

 「はい。
 少し考えてみたのですが…彼等がもし移動をするとすれば…おそらくは何らかの法則に従っていると思うのです。
 移動距離のことを考えても南の森からいきなり対角線上の北に行くよりは、時計回りに西へ行くのではないでしょうか?」

 「……なるほどな。
 彼等はなるべく人目につく行動は避けるはずだ。
ならば、移動距離は短い方を選ぶかもしれぬな。」

 「そっか~……じゃあ、南の森を出た時、反対側に進めば良かったんだね。」

サリーは声をひそめ、申し訳なさそうに呟いた。



 「行ってみないことには、本当にその推測通りに彼等が西の村にいるとは限らない。
それに…もし仮に彼らが西にいたとしても、私達がそちらで森の民の村の情報がみつけられたかどうかはわからないのだ。
 情報を知らなければ、西へ進んでいたとしても意味のないこと。
 遠回りをしたようだが、きっとこれで良かったのだと思うぞ。」

 「私もそう思いますよ。
あっちへ行ってなければ、ネリーさんにも会えなかったでしょうし…」

 「その通りだ。
ただ偶然に会ったように思える出会いも、実はまた神の導きで会わせられたものなのかもしれないな…」

 私達の言葉に、サリーは顔を上げ微笑みながら頷いた。

 次の目的地は西の森と決まった。



 「それで、ここから西へ行くとなると対角線上に進むのが早いわけですが、どうせなら、少しだけ回り道をしてネリーさんやフランツさんに連絡して一緒に行くのも良いのではないかと思うのですが……」

 「確かに、その方が都合が良いかもしれないな。
いや……しかし、そうなるとジネットさんとはもう一緒には行けない。」

 「待ってもらうにしても、そうなればずいぶんかかりそうだもんね。」

サリーの言葉に私はゆっくりと頷く。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪女の指南〜媚びるのをやめたら周囲の態度が変わりました

結城芙由奈 
恋愛
【何故我慢しなければならないのかしら?】 20歳の子爵家令嬢オリビエは母親の死と引き換えに生まれてきた。そのため父からは疎まれ、実の兄から憎まれている。義母からは無視され、異母妹からは馬鹿にされる日々。頼みの綱である婚約者も冷たい態度を取り、異母妹と惹かれ合っている。オリビエは少しでも受け入れてもらえるように媚を売っていたそんなある日悪女として名高い侯爵令嬢とふとしたことで知りあう。交流を深めていくうちに侯爵令嬢から諭され、自分の置かれた環境に疑問を抱くようになる。そこでオリビエは媚びるのをやめることにした。するとに周囲の環境が変化しはじめ―― ※他サイトでも投稿中

〈本編完結〉ふざけんな!と最後まで読まずに投げ捨てた小説の世界に転生してしまった〜旦那様、あなたは私の夫ではありません

詩海猫
ファンタジー
こちらはリハビリ兼ねた思いつき短編として出来るだけ端折って早々に完結予定でしたが、予想外に多くの方に読んでいただき、書いてるうちにエピソードも増えてしまった為長編に変更致しましたm(_ _)m ヒロ回だけだと煮詰まってしまう事もあるので、気軽に突っ込みつつ楽しんでいただけたら嬉しいです💦 *主人公視点完結致しました。 *他者視点準備中です。 *思いがけず沢山の感想をいただき、返信が滞っております。随時させていただく予定ですが、返信のしようがないコメント/ご指摘等にはお礼のみとさせていただきます。 *・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・* 顔をあげると、目の前にラピスラズリの髪の色と瞳をした白人男性がいた。 周囲を見まわせばここは教会のようで、大勢の人間がこちらに注目している。 見たくなかったけど自分の手にはブーケがあるし、着ているものはウエディングドレスっぽい。 脳内??が多過ぎて固まって動かない私に美形が語りかける。 「マリーローズ?」 そう呼ばれた途端、一気に脳内に情報が拡散した。 目の前の男は王女の護衛騎士、基本既婚者でまとめられている護衛騎士に、なぜ彼が入っていたかと言うと以前王女が誘拐された時、救出したのが彼だったから。 だが、外国の王族との縁談の話が上がった時に独身のしかも若い騎士がついているのはまずいと言う話になり、王命で婚約者となったのが伯爵家のマリーローズである___思い出した。 日本で私は社畜だった。 暗黒な日々の中、私の唯一の楽しみだったのは、ロマンス小説。 あらかた読み尽くしたところで、友達から勧められたのがこの『ロゼの幸福』。 「ふざけんな___!!!」 と最後まで読むことなく投げ出した、私が前世の人生最後に読んだ小説の中に、私は転生してしまった。

【完結】腐女子が王子~独身中年女性が異世界王子に転生、ヲタクの知識と魔法と剣術で推しメンの危機を守ります~

黒夜須(くろやす)
ファンタジー
腐女子のアラサ―がずっと好きだった漫画の第二王子に転生した。8歳の王子に生まれ変わったが中身はアレサ―腐女子である。自分の推しメンの存在が気になったしょうがない。推しメン同士の絡みが見たいと期待しているところで、この漫画の推しメンを含む登場人物は不幸になることを思い出した。それを阻止しようと動いているとこの国の闇に触れることになる。漫画では語られなかった事実を知ることになり、国の謎を王位継承権を持つ兄ともに探っていく。 兄は弟を溺愛しており、異常な執着心をみせるようになる。最初は気に留めなかったが次第に弟も心惹かれるようになる。 ※主人公以外にBL(チャラ男×クール)カップルが登場します。NLもあります。主人公はおばさん王子、そして婚約者になるべき相手はおじさん令嬢ですが、兄が止めるので二人はくっつきません。

異世界子ども食堂:通り魔に襲われた幼稚園児を助けようとして殺されたと思ったら異世界に居た。

克全
児童書・童話
両親を失い子ども食堂のお世話になっていた田中翔平は、通り魔に襲われていた幼稚園児を助けようとして殺された。気がついたら異世界の教会の地下室に居て、そのまま奴隷にされて競売にかけられた。幼稚園児たちを助けた事で、幼稚園の経営母体となっている稲荷神社の神様たちに気に入られて、隠しスキルと神運を手に入れていた田中翔平は、奴隷移送用馬車から逃げ出し、異世界に子ども食堂を作ろうと奮闘するのであった。

悪役令嬢のサラは溺愛に気づかないし慣れてもいない

玄未マオ
ファンタジー
「ヒロインの鈍さは天然か?それとも悪役令嬢としての自制か?」 公爵令嬢のサラは王太子との婚約が決まったとき、乙女ゲームの断罪シーンを思い出す。 自分はある乙女ゲームのパート2の悪役令嬢だった。 家族まで巻き添えになってしまう転落ストーリーを座して受け入れるわけにはいかない。 逃亡手段の確保し、婚約者である王太子との友情を築き、そしてパート1の悪役令嬢フェリシアをかばい、ゲームのフラグを折っていく。 破滅を回避するため日々奮闘するサラ。 やがて、サラと周囲の人々の前に、乙女ゲームに似た王国の歴史の暗部の意外な秘密が明かされてゆく。 『婚約破棄された公爵令嬢ですが、魔女によって王太子の浮気相手と赤ん坊のころ取り換えられていたそうです』 https://www.alphapolis.co.jp/novel/886367481/638794694 こちらはヒロインのご先祖たちが活躍する同じ世界線の話です。 カクヨムやなろうでも掲載しています。

ランド!

どんぶりめし
ファンタジー
魔法学校の生徒のランドリク・・・ 通称ランドは落ちこぼれでいつも先生に怒られているが、実はとてつもない潜在能力を秘めていた。 ランドリクは、あるきっかけにより潜在能力を解放したせいで事故を起こしてしまい、魔法学校を追い出されてしまった。 そんな時、ランドリクは、都外れに住んでいる“変人魔法使い”と出会った。 彼との出会いがランドリクの運命を大きく変えていく。

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

異世界でスローライフを目標にしましたが、モテ期到来で先の話になりそうです。

koh
ファンタジー
転生のきっかけは一通のメールだった。 侑(ゆう)に神が与えてくれたのは、特殊なスキルだった。 異世界をまったり旅するスローライフを夢見た主人公が色々な出会いに翻弄されながら成長していく物語の予定です。。

処理中です...