334 / 449
14、銀星石(前に進む力)ワーベライト
10
しおりを挟む
*
やがて次の日の朝が来た。
私が目を覚ますと、そこにサリーの姿はなかった。
こんな朝早くから一体どこへ行ったのだろうかと考え、身体を起こそうとした時、私は激しいめまいに襲われた。
あたりがぐるぐると回り、動悸もする。
バランスを崩しそうになる所を、咄嗟に腕を着き、私は息を整える。
(こんなことは初めてだ。
体調が良くないだけなのか…
…それとも…)
不安な気持ちを押さえながら、その場でじっとしているとめまいは徐々におさまった。
(……きっと体調が良くないだけなのだ…
あるいは神経が高ぶっているからなのだろう…そうに違いない。)
私は自分にそう言い聞かせると、ゆっくりと上体を起こす。
今度はなんともなかったことに、私は胸を撫で下ろした。
「あ、レヴさん、おはようございます。」
「おはよう、ヴェール。
……サリーがいないのだが…」
「サリーさんが?」
私達があたりを見渡していると、遠くからサリーが手を振りながら走って来るのが目に映った。
「見て~!」
息を切らせながらサリーが差し出したものは不思議な石だった。
石の表面に放射状の模様が、まるで花火のように刻まれた石だ。
「これって絶対『星の石』だよね!」
「言われてみれば、確かに星のように見えますね。」
「見えますね…じゃなくて、絶対そうだよ!
ほら、こんなにキラキラしてるしさ!」
サリーは石を朝日に向けて差し上げ、キラキラ輝く石を誇らしげに見つめていた。
「絶対にこれが星の石さ。
間違いないさ。」
サリーはそう言って満足げな顔で頷く。
やがて次の日の朝が来た。
私が目を覚ますと、そこにサリーの姿はなかった。
こんな朝早くから一体どこへ行ったのだろうかと考え、身体を起こそうとした時、私は激しいめまいに襲われた。
あたりがぐるぐると回り、動悸もする。
バランスを崩しそうになる所を、咄嗟に腕を着き、私は息を整える。
(こんなことは初めてだ。
体調が良くないだけなのか…
…それとも…)
不安な気持ちを押さえながら、その場でじっとしているとめまいは徐々におさまった。
(……きっと体調が良くないだけなのだ…
あるいは神経が高ぶっているからなのだろう…そうに違いない。)
私は自分にそう言い聞かせると、ゆっくりと上体を起こす。
今度はなんともなかったことに、私は胸を撫で下ろした。
「あ、レヴさん、おはようございます。」
「おはよう、ヴェール。
……サリーがいないのだが…」
「サリーさんが?」
私達があたりを見渡していると、遠くからサリーが手を振りながら走って来るのが目に映った。
「見て~!」
息を切らせながらサリーが差し出したものは不思議な石だった。
石の表面に放射状の模様が、まるで花火のように刻まれた石だ。
「これって絶対『星の石』だよね!」
「言われてみれば、確かに星のように見えますね。」
「見えますね…じゃなくて、絶対そうだよ!
ほら、こんなにキラキラしてるしさ!」
サリーは石を朝日に向けて差し上げ、キラキラ輝く石を誇らしげに見つめていた。
「絶対にこれが星の石さ。
間違いないさ。」
サリーはそう言って満足げな顔で頷く。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
異界娘に恋をしたら運命が変わった男の話〜不幸の吹き溜り、薄幸の美姫と言われていた俺が、英雄と呼ばれ、幸運の女神と結ばれて幸せを掴むまで〜
春紫苑
恋愛
運命の瞬間は早朝。
泉から伸びる手に触れたことが、レイシールの未来を大きく変えた。
引き上げられた少女は、自らを異界人であると告げ、もう帰れないのかと涙をこぼした。
彼女を還してやるために、二人は共に暮らすこととなり……。
領主代行を務めるレイシールの、目下の課題は、治水。毎年暴れる河をどうにかせねば、領地の運営が危うい。
だが、彼の抱える問題はそれだけではない。
妾腹という出自が、レイシールの人生をひどく歪なものにしていた。
喪失の過去。嵐中の彼方にある未来。二人は選んだ道の先に何を得るのか!
転生して異世界の第7王子に生まれ変わったが、魔力が0で無能者と言われ、僻地に追放されたので自由に生きる。
黒ハット
ファンタジー
ヤクザだった大宅宗一35歳は死んで記憶を持ったまま異世界の第7王子に転生する。魔力が0で魔法を使えないので、無能者と言われて王族の籍を抜かれ僻地の領主に追放される。魔法を使える事が分かって2回目の人生は前世の知識と魔法を使って領地を発展させながら自由に生きるつもりだったが、波乱万丈の人生を送る事になる
転移した異世界が無茶苦茶なのは、オレのせいではない!
どら焼き
ファンタジー
ありがとうございます。
おかげさまで、第一部無事終了しました。
これも、皆様が読んでくれたおかげです。
第二部は、ゆっくりな投稿頻度になると思われます。
不遇の生活を送っていた主人公が、ある日学校のクラスごと、異世界に強制召喚されてしまった。
しかもチートスキル無し!
生命維持用・基本・言語スキル無し!
そして、転移場所が地元の住民すら立ち入らないスーパーハードなモンスター地帯!
いきなり吐血から始まる、異世界生活!
何故か物理攻撃が効かない主人公は、生きるためなら何でも投げつけます!
たとえ、それがバナナでも!
ざまぁ要素はありますが、少し複雑です。
作者の初投稿作品です。拙い文章ですが、暖かく見守ってほしいいただけるとうれしいです。よろしくおねがいします。
宝石店勤務のOLで疎まれなが生活してましたが異世界で幸せになります!
麻麻(あさあさ)
恋愛
街一番の宝石店の看板娘のエメの前世は宝石大好き!だがそれ故にモテないまま生涯を閉じたOL。
キラキラの宝石を身に纏う来世に期待したが転生した今はそれも無理だと諦めたが(前世よりは前世の知識もあり鑑定やデザインもでき)良い転生ライフを送れていたはずだったが城から使いが来て「姫の結婚式につけるティアラの宝石がなくなったから石が何か当てて!」と鑑定依頼されて住み込みで仕事をする事に。
しかも、モルクルのイジワル?な執事長を側につけられて不安な気持ちで仕事を開始するが、果たしてエメは今度こそ幸せになれるのか?
異世界でスローライフを目標にしましたが、モテ期到来で先の話になりそうです。
koh
ファンタジー
転生のきっかけは一通のメールだった。
侑(ゆう)に神が与えてくれたのは、特殊なスキルだった。
異世界をまったり旅するスローライフを夢見た主人公が色々な出会いに翻弄されながら成長していく物語の予定です。。
転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~
ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。
異世界転生しちゃいました。
そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど
チート無いみたいだけど?
おばあちゃんよく分かんないわぁ。
頭は老人 体は子供
乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。
当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。
訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。
おばあちゃん奮闘記です。
果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか?
[第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。
第二章 学園編 始まりました。
いよいよゲームスタートです!
[1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。
話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。
おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので)
初投稿です
不慣れですが宜しくお願いします。
最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。
申し訳ございません。
少しづつ修正して纏めていこうと思います。
私は魔法最強の《精霊巫女》でした。〜壮絶な虐めを受けてギルドをクビにされたので復讐します。今更「許してくれ」と言ってももう遅い〜
水垣するめ
ファンタジー
アイリ・ホストンは男爵令嬢だった。
しかし両親が死んで、ギルドで働くことになったアイリはギルド長のフィリップから毎日虐めを受けるようになった。
日に日に虐めは加速し、ギルドの職員までもアイリを虐め始めた。
それでも生活費を稼がなければなかったため屈辱に耐えながら働いてきたが、ある日フィリップから理不尽な難癖をつけられ突然ギルドをクビにされてしまう。
途方に暮れたアイリは冒険者となって生計を立てようとするが、Aランクの魔物に襲われた時に自分が《精霊巫女》と呼ばれる存在である事を精霊から教えられる。
しかも実はその精霊は最強の《四大精霊》の一角で、アイリは一夜にしてSランク冒険者となった。
そして自分をクビにしたギルドへ復讐することを計画する。
「許してくれ!」って、全部あなた達が私にしたことですよね? いまさら謝ってももう遅いです。
改訂版です。
異世界二度目のおっさん、どう考えても高校生勇者より強い
八神 凪
ファンタジー
旧題:久しぶりに異世界召喚に巻き込まれたおっさんの俺は、どう考えても一緒に召喚された勇者候補よりも強い
【第二回ファンタジーカップ大賞 編集部賞受賞! 書籍化します!】
高柳 陸はどこにでもいるサラリーマン。
満員電車に揺られて上司にどやされ、取引先には愛想笑い。
彼女も居ないごく普通の男である。
そんな彼が定時で帰宅しているある日、どこかの飲み屋で一杯飲むかと考えていた。
繁華街へ繰り出す陸。
まだ時間が早いので学生が賑わっているなと懐かしさに目を細めている時、それは起きた。
陸の前を歩いていた男女の高校生の足元に紫色の魔法陣が出現した。
まずい、と思ったが少し足が入っていた陸は魔法陣に吸い込まれるように引きずられていく。
魔法陣の中心で困惑する男女の高校生と陸。そして眼鏡をかけた女子高生が中心へ近づいた瞬間、目の前が真っ白に包まれる。
次に目が覚めた時、男女の高校生と眼鏡の女子高生、そして陸の目の前には中世のお姫様のような恰好をした女性が両手を組んで声を上げる。
「異世界の勇者様、どうかこの国を助けてください」と。
困惑する高校生に自分はこの国の姫でここが剣と魔法の世界であること、魔王と呼ばれる存在が世界を闇に包もうとしていて隣国がそれに乗じて我が国に攻めてこようとしていると説明をする。
元の世界に戻る方法は魔王を倒すしかないといい、高校生二人は渋々了承。
なにがなんだか分からない眼鏡の女子高生と陸を見た姫はにこやかに口を開く。
『あなた達はなんですか? 自分が召喚したのは二人だけなのに』
そう言い放つと城から追い出そうとする姫。
そこで男女の高校生は残った女生徒は幼馴染だと言い、自分と一緒に行こうと提案。
残された陸は慣れた感じで城を出て行くことに決めた。
「さて、久しぶりの異世界だが……前と違う世界みたいだな」
陸はしがないただのサラリーマン。
しかしその実態は過去に異世界へ旅立ったことのある経歴を持つ男だった。
今度も魔王がいるのかとため息を吐きながら、陸は以前手に入れた力を駆使し異世界へと足を踏み出す――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる