十五の石の物語

ルカ(聖夜月ルカ)

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13、薔薇輝石(結ぶ愛)ロードナイト

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 次の日…
サリーは朝食の時に、疲れているから今日は一日寝ると言って部屋にひきこもった。
 私もこれといってすることがみつからず、部屋でなんとなく寛いでいた。



 「しかし、何もすることがないというのも困ったものだな。」

 「本当にそうですね。
……とはいえ、私はこのような生活を長く続けていたのですが……」

 「そうだったな。案内を頼む人がいない日はどうしていたのだ?」

 「案内を頼まれることは希でしたよ。
ですから、私は日がな一日森の中を散策し、たまにはなんでもない泉の水面をみつめるだけで、その日一日を過ごしたりもしていました。
こんな風に誰かと話すこともありませんでした。」

ヴェールは、そう言うと、苦い笑いを浮かべた。



 「そうだったのか……
どころで君は読書はあまり好きではないのか?」

 「うちには本自体がほとんどなかったのです。」

 「そうか……
失礼なことを聞くが、君は文字は読み書き出来るのだな?」

 「はい。一通りは父に教えてもらいました。
 母も父に教えてもらったそうです。」

 私は、ゆっくりと頷く。



 「そういえば、森の民は文字は持たないのか?」

 「あるにはあるようですが、文字というよりは模様…象徴のようなもののようです。」

 私の脳裏に、南の森の屋敷でみかけた模様が思い出された。
きっとあれが彼らの文字のようなものではないだろうか?

 
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