十五の石の物語

ルカ(聖夜月ルカ)

文字の大きさ
上 下
292 / 449
13、薔薇輝石(結ぶ愛)ロードナイト

10

しおりを挟む
「そうかもしれないですね…
ところで、ジネットさんはご兄弟はいらっしゃらないんですよね?」

 「えぇ……」

 「では、お母上はあなたと分かれてお寂しい想いをされてらっしゃるでしょうね。」

ジネットはそれには答えず、黙り込んで俯いた。



 「すみません。つまらないことを言ってしまいました。」

 「いえ、ヴェールさんのおっしゃる通りですわ。
 私も早く母の元へ帰りたいと思ってますのよ。
 早く帰れるように頑張らなくてはなりませんわね…
そういえば、ヴェールさんのご家族は?」

 「私の両親はもう亡くなりました…」

 「まぁ…
それで、レヴさんやサリーさんと会われたのですか?」

 「……まぁ、そんなところですね。
レヴさんやサリーさんのおかげで、私はずいぶんと救われたのですよ。
お二人に会えなければ、私はあのまま、あの暗い……」

 「暗い…?」

 「……あ…暗い気持ちのまま、暮らしていたと思うのです。
お二人のおかげで、私は闇の世界から光の世界に救い出されたようなものなのです。」

 迂闊に暗き森のことを口を滑らしそうになったヴェールは、どうにか誤魔化せたことに胸を撫で下ろした。



 「闇の世界……」



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。

松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。 そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。 しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

愚者による愚行と愚策の結果……《完結》

アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。 それが転落の始まり……ではなかった。 本当の愚者は誰だったのか。 誰を相手にしていたのか。 後悔は……してもし足りない。 全13話 ‪☆他社でも公開します

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

10年間の結婚生活を忘れました ~ドーラとレクス~

緑谷めい
恋愛
 ドーラは金で買われたも同然の妻だった――  レクスとの結婚が決まった際「ドーラ、すまない。本当にすまない。不甲斐ない父を許せとは言わん。だが、我が家を助けると思ってゼーマン伯爵家に嫁いでくれ。頼む。この通りだ」と自分に頭を下げた実父の姿を見て、ドーラは自分の人生を諦めた。齢17歳にしてだ。 ※ 全10話完結予定

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

だいたい全部、聖女のせい。

荒瀬ヤヒロ
恋愛
「どうして、こんなことに……」 異世界よりやってきた聖女と出会い、王太子は変わってしまった。 いや、王太子の側近の令息達まで、変わってしまったのだ。 すでに彼らには、婚約者である令嬢達の声も届かない。 これはとある王国に降り立った聖女との出会いで見る影もなく変わってしまった男達に苦しめられる少女達の、嘆きの物語。

処理中です...