十五の石の物語

ルカ(聖夜月ルカ)

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11、血玉石(救いの力)ブラッドストーン

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やがて、私とアベルは三人に合流し、それからは皆でアベルの荷物整理を手伝った。
アベルはこの場所には数ヶ月程いたそうだが、その間にけっこう細々とした荷物が増えていた。
 特に必要でないものは置いていくとしても、それなりの量があった。

それでなくとも、石は重い。
 今までに彼が採った石の袋が荷物の中でも特に重かった。

 暗くなると明日に備えて私達は早めに食事を採り、早めに休んだ。



そして、次の日の朝…



「離れるとなると、なんだか寂しくなるな…」

 採掘場をみつめながら、アベルは切ない笑顔を浮かべた。



 「こんな所に一人で住み着いて石ばっかり掘ってたら、本当の偏屈になる所だったよ。
これからはおふくろさんと仲良くやっていきなよ。
あんたなら、良い嫁さんもすぐにみつかりそうだよ。」

 「本当かい。
そいつは楽しみだな。」

 「では…そろそろ行きましょうか?」

 大きな荷物を背負い、私達は山道を下っていった。
 下りの方が足腰に負担がかかるというが、私達が上ってきた道と比べると帰りの道はなんと楽なことかと、私はひそかに苦笑した。 
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