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11、血玉石(救いの力)ブラッドストーン

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 「それでは、私は今からジェムストーンさんに石の話を聞いて来る。
 君達は適当に時間を潰しておいてくれ。」

 「わかりました。」

ジネットの前で森の民の話はしたくない。
まさかとは思ったが、そこからヴェールの秘密がバレることを恐れ、私は一人で話を聞くことにしたのだ。



 「ジェムストーンさん、今までに採掘された珍しい石についてお聞かせ頂けますか?」

ジェムストーンは今までに採った様々な石について話してくれたが、キャストライトについては何の話もなかった。
 仕方がなく、私は自分の方から話をもちかけた。



 「私は今までに不思議な種族の護り石の話を聞いたことがあるのですが……」

 「不思議な種族?」 

 「ええ…なんでも緑色の髪と緑色の肌をしているとかいう…」

 「あぁ…森の民だな。
そんな話はただの伝説だ。
どこぞの阿呆が作り出した作り話さ。」

ジェムストーンは吐き捨てるようにそう言った。



 「そうなのですか…
しかし、私は森の民の護り石だという十字の刻まれた石を見たことがあるのですが…」

 「あぁ、あれか。
あんなものは何の力もないただのつまらない石ころさ!」

ジェムストーンの言葉には、強い憎しみのようなものが感じられ、そのことがどうも心にひっかかった。



 (……理由はわからないが、この件についてはもう訊かない方が良いかもしれないな。)

 私がそう考えた矢先のことだった。

 
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