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11、血玉石(救いの力)ブラッドストーン

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「…そうでしょうか…」

 「え?」

 「……あ…いえ…
 …なんでもありませんわ。
それで…お探しの石はみつかったのですか?」

ジネットには思うところがあったが、初対面で意見のようなことをするのもおこがましいと考え直し、それを口には出さなかった。



 「そうなんだ!
 実はつい数日前にやっとそいつがみつかったのさ!
 少し磨いてみようと思って必要な道具を町まで買いに行ってきたところなんだ。
 原石を見るだけでもそいつがたいした力を持つ石をだってことはよ~くわかった。」

 「そうなんですか。
では、それを持ってご両親の元へ帰られるのですか?」

 「それは……」

そのまま、ジェムストーンは沈んだ様子で黙りこむ。



 気まずい沈黙の続く中、暗い道を二人は歩いた。
 幸い、ジェムストーンが灯りを持ってきていたため、夜道もそれほど困る事はなかった。



 「あと少しだからな。」

 「はい。」

ヴェールに会えることを期待しながら、ジネットはジェムストーンの後を着いて行った。


 
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