十五の石の物語

ルカ(聖夜月ルカ)

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11、血玉石(救いの力)ブラッドストーン

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「きっとあれが教えてもらった町だね!」

 「そのようだな。ずいぶんと大きな町のようだな。」

 夕方近くになり、私達は、ようやく前日サリーが聞き込んで来た町に着いた。
 数多くの商店が立ち並び、人々が忙しなく行き来している。
 四人は通りから一本奥に入った落ち着いた雰囲気のカフェに入り、少し遅い昼食を摂った。



 「では、ジネットさん…私達は鉱山の方に行って来ますので、通り沿いのホテルで落ち合うことにしましょう。
 鉱山のだいたいの場所は聞いてありますが、かなり奥まった場所だそうですから三~四日はかかるかもしれません。
 退屈かもしれませんが、幸いこの街にはいろんなものがある。
 気晴らしをしながら待っていて下さい。」

 「わかりましたわ。どうぞお気を付けて。
ところでそこはそんなにわかり辛い場所なのですか?」

 「ええ、簡単な地図もあるのですが……」

ジネットはヴェールが差し出した地図をのぞきこんだ。



 「これはずいぶんかかりそうですわね。」

 「ジネットは地図がわかるんだね。
あたしもレヴも地図を見てもどっちが北だか南だか、まるでちんぷんかんぷんだよ。」

 「私は方角位はわかる。」

 私は憤慨し抗議した。
 方向感覚があまり良くないことは自覚していたため、こういうことを言われると妙に苛々としてしまう。



 「あれ?そうだっけ?
でも、いつもヴェールに任せてるじゃん。」

 「それは、ヴェールの方が方向感覚が優れてるからだ。」

 「私は森で育ちましたから。」

 「えっ!ヴェールさんは森の中に住まれたんですか?」

 「あ…
その…近くに森があって、幼い頃からそこでよく遊んでいたということなのです。」

 「……そうですか…」

ヴェールがうまく言い繕えたことに、私はほっと安堵した。



やがて、私達はカフェを出てジネットとは別れ、私達三人はそのまま鉱山を目指した。 
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