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10、蛍石(秘密の恋)フローライト

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「そうじゃのう…なんかそんな話をしとったのう。
じゃが、名前は……う~ん、わしも忘れてしもうた。
 本当にあるかどうかもわからん石を探してる偏屈な男だということじゃったよ。」

 「どうする?とりあえず行ってみるかい?」

 「そうだなぁ…
そんな所ではジネットさんの手掛りはみつからないと思うのだが…」

 「あ、その近くに割りと大きな町があるらしいよ。」

 「そうか。それならば、ジネットさんにはその町で人探しをしながら待っていてもらって、その間に私達はその鉱山に行くというのはどうだろうか?」

 「ええ、私はかまいませんわ。」

 「じゃ、決まりだね!」

これからの話もまとまり、私達は集落をを後にした。



 「じゃ、ジネットさんのことは頼んだからな。」

 「ご安心下さい。出来る限りのことは致しますから。」

 「フランツさん、本当にありがとうございました。」

 「早くあんたの愛する人に会えるとええな。
サリーさん、また一緒に飲もうな!」

 「そうだね、約束だよ!
あ、もう一つの約束も忘れてないからね!」

サリーはそう言いながら、フランツに小さな目配せをする。



 「待っとるからな!」 

フランツに手を振り、一行は別の方向へ歩き出した。
 今回の旅では森の民の住み処の手掛りは得られなかったが、初めての森の民・ネリーに会うことが出来た
 そして、新しい旅の仲間が加わった。
どうか、ジネットの探してる相手が無事にみつかるようにと、私は心の中でそっと祈った。



 ***

 森の中で出会ったたった一人の森の民。
だが、それよりももっと近くに森の民がいることを彼らはまだ知らない…



蛍石…fin
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