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10、蛍石(秘密の恋)フローライト

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「サリー、よさないか。
 誰にでも、言えないことや言いたくないことはあるものだ。
……サリー、私の言ってることがわかるな?」

 「そうですよ。
 何もかも話さなければならないなんてことはありません。
ジネットさんにはジネットさんのお考えがあるのでしょう。」

 「……皆さん、許して下さい。
 決してあなた方を信用していないわけではないのです。
いえ、私にはあなた方以外に頼れる人はいないのですから、信頼しています。
だけど……それでも、今は言えないのです。
 機会が来ればちゃんとご説明しますから、どうか私のわがままを許して下さい。」

 「わかったよ!
あ~あ、美人は得だなぁ…」

サリーはそう言って、ふて腐れた顔でそっぽを向いた。



 「何を言う。あんたもとっても可愛いぞ!
わしがもっと若かったら放っとかんところじゃ。」

 「ありがとう~!
そんなこと言ってくれるのはおじいちゃんだけだよ!
あ、そうだ!
おじいちゃんに良い物あげるよ!」

 「嬉しいのう!何をくれるんじゃ?」

 「は~い!これで~す!」

サリーはフランツに採掘場で拾った蛍石を手渡した。 
 
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