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8、翡翠(幸運)ジェダイト

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 「あら、もう目が覚めたの?おはよう。」

 「おはようございます。
すみません。昨夜はすっかり眠り込んでしまって……」

 「そんなこと、構わないのよ。
それより、あの娘さん、熱が下がりましたよ。」

 「そうですか!ありがとうございました。
 本当に何から何までお世話になってしまって…」

 「本当によかったわ。」

 私がサリー部屋にいくと、部屋の前でジネットに止められた。



 「まだ眠ってますから、静かに……」

 私は扉の外から、そっとサリーの様子をうかがった。
サリーは静かな寝息を立てて熟睡している。
 音が立たないように気を付けながら、私は安心して扉を閉めた。



 「ジネットさん、本当にお世話をおかけしました。」

 「たいしたことではありませんわ。
あの様子では一週間もすればきっと元気になられますわ。」

 「一週間!」

 「お急ぎの旅なのですか?」

 「いえ…そうではないのですが…そんなに長い間、お世話になっても大丈夫なのでしょうか…」

 「私がこんなことを言うのもおかしいのですが、全然構いませんわ。
そんなことを言われたら、私なんてもっとずっと長い間、ここにお世話になってるのですから…」

 「そんなに長いのですか…?」

 「えっ?…えぇ…
あ、すみません。
 私、食事の準備がありますのでこれで… 」



 (…何か、いけないことを聞いてしまったんだろうか…?)



ジネットはそそくさと台所の方へ走り去った。

 心苦しいのは山々だが、今、サリーを動かすわけにはいかない。
 私とヴェールも、倒れこそしなかったものの、かなり疲れていたことは否めない。
 私は、今は素直に二人の好意に甘えさせてもらうことにした。
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