十五の石の物語

ルカ(聖夜月ルカ)

文字の大きさ
上 下
131 / 449
7、透輝石(正しい判断)ダイオプサイト

しおりを挟む
「ヴェール、良かったね!
あと半月もしないうちに森の民と会えるんだね!」

 「ですが…光の途というのが現れるには満月の晩じゃないといけないらしいですよ。」

 「あ!そっか。それがあったね。
ねぇ、レヴ、次の満月っていつ?」

 「満月はほぼ一月ごとにやってくるから…
そういえば、この前の満月の日はいつだったか…」

 「最近、ゆっくりと月を見ることなんてありませんでしたよね。」

そんな他愛ないことを話しているうちに、私達は行商人の町に着いた。
まず、私達は元締めのクレマンに会い、水晶の採掘場のことを訊ねた。
 詳しいいきさつについては、話さなかった。
 話しても信じてはもらえないだろうし、信じてもらうためにはヴェールのことも話さなければならなくなるからだ。



 「水晶の採掘場……あぁ、そういえば昔そんな話を聞いたことがある。
 確かここからずっと南の方だったよな?」

 「そうです!場所をご存じですか?」

 「いや、あいにくと俺は石は扱ってなかったんでな。
ちょっと待ってくれ。
 石の事なら、フィリップの奴が詳しい。」

そう言いながらクレマンはフィリップというを呼んでくるように若い男に命じた。



 「親方、フィリップは、今、旅に出てるみたいです。」

 「そうか……お聞きの通りだ。すまねぇな。」」

クレマンは残念そうな顔でそう言った。



 「いえ。だいたいの場所はわかってますから私達で探してみます。」

 「そうかい。じゃ、気を付けて行きなよ!」

 私達はクレマンに別れを告げ、水晶の採掘場を目指して歩き出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

78~運命のカード

ルカ(聖夜月ルカ)
ファンタジー
一流の占い師を目指すダニエルは、ある時、おかしな老人に一組のカードをもらった。 それは、ダニエルの人生を大きく変える世にも珍しいカードだった… ※表紙画は、蓮冶様に描いていただきました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

異世界で一番の紳士たれ!

だんぞう
ファンタジー
十五歳の誕生日をぼっちで過ごしていた利照はその夜、熱を出して布団にくるまり、目覚めると見知らぬ世界でリテルとして生きていた。 リテルの記憶を参照はできるものの、主観も思考も利照の側にあることに混乱しているさなか、幼馴染のケティが彼のベッドのすぐ隣へと座る。 リテルの記憶の中から彼女との約束を思いだし、戸惑いながらもケティと触れ合った直後、自身の身に降り掛かった災難のため、村人を助けるため、単身、魔女に会いに行くことにした彼は、魔女の館で興奮するほどの学びを体験する。 異世界で優しくされながらも感じる疎外感。命を脅かされる危険な出会い。どこかで元の世界とのつながりを感じながら、時には理不尽な禍に耐えながらも、自分の運命を切り拓いてゆく物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

機械少女と霞んだ宝石達~The Mechanical Girl and the hazy Gemstones~

綿飴ルナ
ファンタジー
『一人前の魔女になる為の最終試練で探している師匠の魔力はどれも霞みがかっていた』 大地に魔力が宿るセカイ。 人々がまだ魔族の存在を知らない時代。 魔法の存在すらもほぼ知れ渡っていない時代で、機械少女のルナは魔女になる為に最終試練を受ける事になった。 最終試練、それは『大魔女と呼ばれたルナの師匠の魔力を探し出す事』 彼女の師匠の魔力を見つけた先にあったのは、魔力を宿した事で人の姿に擬態化した宝石だった。 *この物語は各エピソード毎に中心人物が変わる作品です。 *日常パートと名の付いたスローライフパート有。 *カクヨムでも同時連載中。 *この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。 *一部シーンに動物の姿をした者が人の食べる料理を食事する描写がございます。 *こちらの作品は作者が自分自身を見つめ、執筆の学びを得る為に執筆している作品です。 機械少女シリーズに関しての批評は御遠慮しておりますのでご理解のほど宜しくお願いします。 *作者の経験を違う形で散りばめ描写しているシーンが多いです。 繊細さ、世間とのズレによる孤立、精神疾患等、少々デリケートなものを取り扱っている作品となります。 自分を責め続け、生きることに疲れている方に、この作品が何らかの形で寄り添える事が出来ればと願っています。 至らない点があるかと思いますがご拝読いただけますと幸いです。 よろしくお願いします! 私の作品を無断で使用した方には法的処置をとります。 Do not use my artDo not use my art for AI training. Unauthorized use prohibited.

【キャラ文芸大賞 奨励賞】変彩宝石堂の研磨日誌

蒼衣ユイ/広瀬由衣
ミステリー
矢野硝子(しょうこ)の弟が病気で死んだ。 それからほどなくして、硝子の身体から黒い石が溢れ出すようになっていた。 そんなある日、硝子はアレキサンドライトの瞳をした男に出会う。 アレキサンドライトの瞳をした男は言った。 「待っていたよ、アレキサンドライトの姫」 表紙イラスト くりゅうあくあ様

もう一度会いたい……【もう一度抱きしめて……】スピンオフ作品

星河琉嘩
恋愛
もう一度抱きしめて……のスピンオフ作品 BLUE ROSEのベースのAKIRAの妹、高幡沙樹と、BLUE ROSEのギター担当のTAKA、三浦崇弘との年の差恋愛。 ※第4章から性描写が軽く入ります。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...