十五の石の物語

ルカ(聖夜月ルカ)

文字の大きさ
上 下
120 / 449
6、夜光石(永遠の絆)

しおりを挟む
「レヴさん…本当にありがとうございます。
ずっと大切にします…」

 「ヴェール…」

 私には、特に深い意味などなかった。
ただ、少しヴェールを喜ばせてやりたかっただけのことだった。
だからこそ、ヴェールの反応には面食らった。

 私は、今まで数えきれない程の贈り物をしてきた。
このカイヤナイトもけっこう良いものらしいが、こんなものよりもずっと良いものをいくつも贈ってきた。
だが、今までこれほどまでに喜ばれたこと等一度もなかった。
 贈り物に涙を流してまで喜んでくれた人など一人もいなかったのだ。



 「ありがとう、ヴェール…」

この旅を始めていろんな出会いがあった。
あの老人を探そうとしなければ出会うことのなかった人々との出会いが……



(考えてみれば本当に不思議な出会いだな。
そして、素晴らしい出会いだ……)




 「そろそろ行こうか。」

 私は心が温かくなるのを感じながら、二人に声をかけた。

この町を越えれば行商人の集まる町がある。
アランを探し、森の民のことを聞き出さなくてはならない。

 私はヴェールのために何かしてやりたいという気持ちが以前よりも強くなっているのを感じた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。

松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。 そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。 しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

愚者による愚行と愚策の結果……《完結》

アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。 それが転落の始まり……ではなかった。 本当の愚者は誰だったのか。 誰を相手にしていたのか。 後悔は……してもし足りない。 全13話 ‪☆他社でも公開します

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

10年間の結婚生活を忘れました ~ドーラとレクス~

緑谷めい
恋愛
 ドーラは金で買われたも同然の妻だった――  レクスとの結婚が決まった際「ドーラ、すまない。本当にすまない。不甲斐ない父を許せとは言わん。だが、我が家を助けると思ってゼーマン伯爵家に嫁いでくれ。頼む。この通りだ」と自分に頭を下げた実父の姿を見て、ドーラは自分の人生を諦めた。齢17歳にしてだ。 ※ 全10話完結予定

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

処理中です...