上 下
88 / 449
5、藍晶石(豊かな想像力)カイヤナイト

しおりを挟む




 「じゃ、行って来るね!」

 「お気を付けて…」

 私とサリーは町の中心部を目指し宿を発った。



 「レヴ!ここはすごく大きな町だねぇ!
 人もいっぱいいるし、ここだと南の森のこともすぐにわかりそうだね!」

 「そうだな。まずは……」

 「酒場だね!」

 「酒場……?」

 考えてもみなかったサリーの言葉に私は少し驚いたが、言われてみればそれは名案かもしれないと思い直した。
いきなり、森の民の話等をしたら変に思われかねないが、酒の上での話ならそれほど違和感を感じる者はいないだろう。



 (しかし、こんな朝早くから開いている酒場があるのだろうか…?)

そう思った私の耳に酔っ払いのへたくそな歌が飛び込んでいた。



 「酒場はきっとあっちだね!」

 酔っ払った男が騒音のような歌を歌いながら出てきた路地に入ってみると、やはりそこには小さな酒場が軒を連ねていた。
 朝早くから開いたというよりは、そのあたり一角は昨夜からまったく閉まってないように思われた。
 私の意志により、その中でも多少小綺麗な雰囲気の一軒に向かった。
 店内はむせ返るような熱気と酒と煙草のにおいに包まれている。



 「あそこにしよう。」

 私達は中央の大きなテーブル席につく。
 私達の座った席の隣にも向かいにも男が座り、赤い顔をしてなにやら楽しげに話をしていた。

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

誕生石の小物

三枝七星
ファンタジー
誕生石をモチーフにしたファンタジーアイテムのSS集です。 似たような作品群(https://www.alphapolis.co.jp/novel/519967146/971834185) (※リアルの社会情勢を反映しておりません) (※職業についての考察は詳細に行なっておりません) (※現実的な法律、道徳、倫理、人権、衛生の面で「誤り」「加害的」「差別的」であることも描写されますが、これらを「是」とするものではありません) (※随時修正する可能性はあります) 参考・引用文献 有名石から超希少石まで美しい写真でよくわかる宝石図鑑(KARATZ・小山慶一郎/日本文芸社/2023年) 世界観設定のための宝石図鑑(飯田孝一/エクスナレッジ/2022年) 守護石パワーストーン組み合わせ&相性大辞典(登石麻恭子・須田布由香・玉井宏/河出書房新社/2021年)

BYOND A WORLD

四葉八朔
ファンタジー
第1章、87話(48万文字程度)5月5日まで毎日19:00連続更新です。 地球とは違う異世界。まったく見知らぬ異世界に飛ばされてしまったある男が宇宙船の人工頭脳や自動機械たちと協力し、新たな国を作って異世界人に対抗し始める。 最初は慎重に動いていた男だったが、徐々に世界の表舞台へ立たざるを得なくなっていき――。 ※冒頭部分でSF的な描写があり、SF要素も随所に出てきますが、土台となる部分は王道系の異世界ファンタジーだと思って読んでください。 一部地球の文明や法則を参考にしていますが、主人公が元居た世界は地球という名前のパラレルワールドです。食文化が現時点のものであるにもかかわらず、宇宙船や機械の技術が異様に発展していたり物理法則がおかしかったりしますので、あくまでパラレルワールドの出来事としてお読みください。 「BEYOND A WORLD」という題名の冠詞が「A」なのも、パラレルワールド的考えで複数世界が存在するという設定からです。 ところどころ、うんちく臭い説明がありますがAIが味方だったり現代から何百年後の主人公という設定に説得力をもたせるためなので何卒ご理解ください。

私は魔法最強の《精霊巫女》でした。〜壮絶な虐めを受けてギルドをクビにされたので復讐します。今更「許してくれ」と言ってももう遅い〜

水垣するめ
ファンタジー
アイリ・ホストンは男爵令嬢だった。 しかし両親が死んで、ギルドで働くことになったアイリはギルド長のフィリップから毎日虐めを受けるようになった。 日に日に虐めは加速し、ギルドの職員までもアイリを虐め始めた。 それでも生活費を稼がなければなかったため屈辱に耐えながら働いてきたが、ある日フィリップから理不尽な難癖をつけられ突然ギルドをクビにされてしまう。 途方に暮れたアイリは冒険者となって生計を立てようとするが、Aランクの魔物に襲われた時に自分が《精霊巫女》と呼ばれる存在である事を精霊から教えられる。 しかも実はその精霊は最強の《四大精霊》の一角で、アイリは一夜にしてSランク冒険者となった。 そして自分をクビにしたギルドへ復讐することを計画する。 「許してくれ!」って、全部あなた達が私にしたことですよね? いまさら謝ってももう遅いです。 改訂版です。

田舎貴族の学園無双~普通にしてるだけなのに、次々と慕われることに~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
田舎貴族であるユウマ-バルムンクは、十五歳を迎え王都にある貴族学校に通うことになった。 最強の師匠達に鍛えられ、田舎から出てきた彼は知らない。 自分の力が、王都にいる同世代の中で抜きん出ていることを。 そして、その価値観がずれているということも。 これは自分にとって普通の行動をしているのに、いつの間にかモテモテになったり、次々と降りかかる問題を平和?的に解決していく少年の学園無双物語である。 ※ 極端なざまぁや寝取られはなしてす。 基本ほのぼのやラブコメ、時に戦闘などをします。

運命の出会いを経験してみた。

みららぐ
恋愛
付き合っていた彼氏に大金を奪われ浮気され散々な恋愛をしていた主人公。 そんな主人公、五十嵐鏡子(いがらしきょうこ)の目の前に、ある日超ハイスペックなイケメン、柳瀬修史(やなせしゅうじ)が現れた。 「どうせあたしとは釣り合わないから」 しかし鏡子はそう思って、修史との恋愛の展開は期待していなかったが… 「あなたには俺がいるから」 「…帰したく、ない」 「もうここまで来たんだから逃さないよ、俺」 何故かあの手この手で迫ってくる彼に、もう好きにならずにはいられない!? ちょっと危険で大人な恋愛をご覧あれ!

今世では溺れるほど愛されたい

キぼうのキ
ファンタジー
幼い頃両親を亡くし、親戚の家を転々としてきた青木ヨイは居場所がなかった。 親戚の家では煙たがられ、学校では親がいないという理由でいじめに合っていた。 何とか高校を卒業して、親戚の家を出て新しい生活を始められる。そう思っていたのに、人違いで殺されるなんて。 だが神様はヨイを見捨てていなかった。 もう一度、別の世界でチャンスを与えられた。 そこでのヨイは、大国のお姫様。 愛想、愛嬌、媚び。暗かった前世の自分に反省して、好かれるために頑張る。 そして、デロデロに愛されて甘やかされて、幸せになる!

ゴミスキルだって、育てりゃ、けっこうお役立ちです!

アイイロモンペ
ファンタジー
 地球では無い、何処か不思議な世界。  そこには、『ゴミスキル』とけなされる、役に立たないスキルが幾つかありました。  主人公は、一人暮らしの少女マロン。  彼女は、不味くてどうしょうもない『ゴミスキルの実』の美味しい食べ方に気付きます。  以来、巷の人々が見向きもしない『ゴミスキルの実』を食べ続けると…。  何の役にも立たないと思われていた『ゴミスキル』がなんと。  唯我独尊の妖精アルト、日本からの残念な転移者タロウに振り回されつつ。  マイペース少女マロンの冒険が始まります。  はて、さて、どうなる事やらww  毎日、20時30分に投稿する予定ですが。  最初の導入部は、1日2回、12時10分に追加で1話投稿します。

ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~

楠富 つかさ
ファンタジー
 地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。  そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。  できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!! 第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!

処理中です...