十五の石の物語

ルカ(聖夜月ルカ)

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5、藍晶石(豊かな想像力)カイヤナイト

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ついこの間までは、お互い、その存在すら知らなかった者達が一緒に旅をしている。
 毎日が穏やかで安らぎに満ちた旅……
だが、実は私もヴェールも大きな黒い影を背負っているのだ。



 (本当にそうなのだろうか…?)



もしかしたら、ヴェールはただ何か身体の色素に異常があるだけで、その姿からありもしない妄想が生まれただけではないのか…?
 私にはそんな想いもあった。
さらに、自分自身のことも、そう思えなくもなかった。
たかが占い師の言うことなのだ。
 不吉なものなんて、そんなものはただの思いすごしかもしれない。
 老人へ指輪代金を払うことを諦めれば、それですべてが終わるのではないか?
このまましばらく三人で旅を続けるのも良いし、なんなら二人を連れて屋敷へ帰ったって良い。
そうすれば、皆、何の苦労もなく、平穏な日々を過ごせるのではないのか?
そんな思いが私の脳裏をふと過る。



 (…なのに、なぜ私はこんな旅を続けているのだろう…?)

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