十五の石の物語

ルカ(聖夜月ルカ)

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4、菫青石(アイデンティティ)アイオライト

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 「遅かったじゃないか!どこ行ってたのさ!」

 「ちょっとした買い物だ……いや、金は払ってないから買い物ではないか…」

 「どういうこと??」

レヴはヴェールに帽子と黒眼鏡を手渡した。



 「レヴさん、これは?」

 「わぁ!良いもの買ってきたね!
あんたにしては気が利くじゃないか!
ヴェール、早速かけてみなよ!」

サリーはヴェールに黒眼鏡をかけさせると、彼を窓の傍に連れていった。



 「……どう?」

 「これは良いです!とても目が楽になりました。」

 「それは良かった。」

 私は今日一日忙しくしていたことが報われたような気がした。



 「レヴさん、本当にどうもありがとうございます。私のためにこんなに気を遣っていただいて…」

 「レヴ、どこまで買いにいったんだい?
それにお金払ってないってどういうこと?」

 「それはだな……」

 本当のことをいうと迷惑をかけたとヴェールが気にするかとも思ったが、世話になったあの男のことを隠しておくのも気が引けて、私は事の成り行きを二人に話して聞かせた。

 
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